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【開催報告】第11回慶應-スタンフォード Webinar（2022.11.19開催）

2023.01.06

第11回慶應-スタンフォード Webinar

2022年11月19日（土）に、第11回慶應-スタンフォード Webinarを開催しました。今回のテーマは、Evolution of CRISPR/Cas Technologyでありました。Stanford School of Medicine, Department of Anesthesiology, Perioperative and Pain Medicine（SLDDDRS）、慶應義塾大学医学部生理学教室、Keio University Yagami Data Security Labが主催し、KGRI、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン（LINK-J）、科学技術振興機構（JST）が共催しました。ウェビナー形式で約100名の参加がありました。

先ず、Ronald G. Pearl教授（Stanford University; Chairman, SLDDDRS Stanford）と岡野栄之教授（慶應義塾大学医学部生理学教; Head of International Advisory Board of SLDDDRS）がOpening Remarksを行い、この慶應-スタンフォード Webinarの意義についての説明と、本Webinarは「Evolution of CRISPR/Cas Technology」というテーマでCRISPR/Casシステムを用いたゲノム編集に関する最新の知見と技術の発表が行われる旨の説明がありました。

引き続き、4名の演者による講演が行われました：

基調講演1では、スタンフォード大学のLe Cong教授が、single strand annealing proteins（SSAPs）と二本鎖切断を伴わないdCas9を組み合わせることにより、哺乳類細胞において、数キロbp程の長鎖DNA配列を高効率にノックインさせる技術について発表されました。本技術は、ヒト幹細胞を含む様々な細胞種に適用可能であり、安全な長鎖配列のゲノム編集の応用について紹介されました。
基調講演2では、理化学研究所の笹栗弘貴先生が、CRISPR/Cas9技術を改変した塩基編集（Base editing）技術について発表されました。Base editingは、標的とした一塩基を編集する技術であり、これを用いてアルツハイマー病モデルマウスの作成に成功しました。また、他の神経変性疾患への応用についても紹介されました。
Short Talk 1では、Broad Institute of MIT and Harvardの齋藤諒先生が、原核細胞において発見された、CRISPRシステムを伴うトランスポゾンCRIPSR-associated transposase（CAST）systemの哺乳類細胞への応用について紹介されました。
Short Talk 2では、慶應義塾大学の根本晶沙医学部博士課程が、エピゲノム編集を用いたプラダー・ウィリー症候群の研究について発表しました。患者iPS細胞を用い、インプリンティング異常を修復する研究が紹介されました。

パネリストおよびaudienceから活発な質疑応答も行われました。岡野栄之教授とPeter Kao教授（Stanford University; SLDDDRS Stanford）がClosing Remarksを行い、今回のWebinarについての総括が述べられました。

【開催案内】
第11回慶應-スタンフォード Webinar（2022.11.19開催）

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