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【開催報告】第1回 慶應-スタンフォード Webinar(2021.1.30開催)

2021.02.01
第1回 慶應-スタンフォード Webinarを開催

2021年1月30日(土)に、第1回 慶應-スタンフォード Webinarを開催しました。今回のテーマは、Neurodegenerative Diseases(神経変性疾患)でありました。Stanford School of Medicine, Department of Anesthesiology, Perioperative and Pain Medicineおよび医学部生理学教室が主催し、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)、KGRIが協賛しました。ウェビナー形式で約100名の参加がありました。今後、2か月に1回のペースで3年間、様々なテーマを取り上げ、慶應義塾大学とStanford大学の交流を深める予定です。

先ずは、Ronald Pearl教授(Stanford University School of Medicine, Department of Anesthesiology)がOpening Remarksを行い、この慶應-スタンフォード Webinarの意義について説明をされました。次に、岡野栄之 KGRI上席所員/医学研究科委員長・医学部教授が、慶應義塾大学と医学部の紹介の後に、この慶應-スタンフォード Webinarの今後のテーマについての説明がありました。


引き続き、4名の演者による講演が行われました:

  1. 基調講演1では、岡野栄之教授から、神経変性疾患である筋委縮性側索硬化症(ALS)のiPS細胞技術を用いた病態解析・創薬・臨床試験に関する一連の研究が紹介されました。
  2. 基調講演2では、Aaron Gitler スタンフォード大学教授(Stanford University School of Medicine, Department of Genetics)から、single cell RNA-seq技術を用いた運動ニューロンの多様性の解析に関する最新の研究成果が紹介されました。
  3. Short Talk1では、森本悟 医学部特任助教から、紀伊ALS・PDCというALSとパーキンソン病、認知症を併発する特殊な神経変性疾患のiPS細胞技術を用いた病態解析研究の成果が紹介されました。
  4. Short Talk2では、小林玲央奈 医学部訪問研究員/理化学研究所研究員から、パーキンソン病モデルの遺伝子改変マーモセットの作成と解析に関する成果が紹介されました。

質疑応答では、パネリストおよびaudienceから次のような質問があった:RNA 結合蛋白質の異常によるALSの発症機構と神経軸索の退縮という表現型をどのように説明するか? 孤発性ALSにおける薬剤(ロピニロール)応答性はゲノム情報から説明できるか? Single cell RNA-seq技術から分類される運動ニューロンのsubset(α細胞、β細胞、γ細胞など)を各々に特徴的な転写因子を導入することにより特異的に誘導することができるか? パーキンソン病モデルの遺伝子改変マーモセットの個体ごとの表現型はどのように説明するのか? L-dopa応答性はどのように説明するのか? 紀伊ALS・PDCの治療としてのhspの意義をどう考えるのか? このように活発な質疑応答がなされ、非常に情報価値のあるWebinarとなりました。


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【開催案内】
第1回 慶應-スタンフォード Webinar(2021.1.30開催)