ストレス研究センター

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センター概要

近年、メンタルヘルス不調による長期休業者の増加、精神障害に対する労災補償事例の増加、過労自殺、ハラスメント問題など、企業のメンタルヘルス不調が重大な社会的問題となっている。また、ストレスチェックの義務化など、産業精神保健の重要性はいや増すばかりである。さらには、グローバル化や働き方改革など就業環境はめざましく変化しており、その変化に対応するための適応力がより重要になってきている。

本センターでは、うつ病などの精神障害に対する予防から職場復帰支援にいたる包括的なメンタルヘルス対策のためのシステム(KEAP:Keio Employee Assistance Program)を研究開発すると共に、企業との受託事業を通じて、そのシステムの実践と検証を行う。加えて、わが国の産業精神保健実践の底上げに貢献する。

キーワード・主な研究テーマ

KEAP(Keio Employee Assistance Program)、職場復帰支援、企業内うつ病、ストレス障害、産業メンタルヘルス対策、うつ病疫学研究

2020年度 事業計画

■2019年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

KEAPについては、複数企業から継続希望がある。
文部科学研究にて、マインドフルネス認知療法のwellbeingの研究を完成させる。
マインドフルネスやポジティブサイコロジーに基づいた介入を産業保健および介護領域に拡大していくために、企業や介護施設におけるプログラムの導入を進めていく。
また、医療領域においてはその長期的効果を明らかにすべく、AMEDの研究費でその効果検証を行う。

■2020年度の新規活動目標と内容、実施の背景

健康経営の一環として、労働者の健康状態改善を目的としたマインドフルネスの導入についての交渉を複数の企業と進めており、これをさらに進める。
マインドフルネスの企業における労働生産性改善効果について検証を進める(現在、科研申請中)。
産業精神医学の知見を深めるための研修会を開催し、産業保健領域における産業精神保健の知見を広める活動に取り組む。

2019年度 事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

KEAP事業を継続し、プログラムの改善と知見の蓄積を行った。3社が継続中である。
RHP(Return to Health Program:慶應版リワークプログラム)向けに作成した、認知機能トレーニングプログラムをもとに、大阪工業大学と共同で新たな認知機能トレーニングプログラム(ワーキングメモリーと注意)ソフトの開発を行った。プログラムの効果検証を行いながら、リワーク導入に向けた準備を始めている。
研修会(慶應産業精神保健カンファレンス)を開催し、産業メンタルヘルスに関する知識の獲得や教育的なプログラムを提供した。
文部科学研究にて、マインドフルネス認知療法のwellbeingに対するプログラムを開発し、RCTを実施しこれを完了させた。
経済産業省事業費および公文教育研究会の受託研究費で実施した認知症に対する学習療法の効果および費用対効果研究の結果をまとめ、論文として出版した。
公文教育研究会の受託研究で、介護者のwellbeingに対する研究を継続中である。
AMEDの研究費助成を受けマインドフルネス認知療法の長期効果を検証するためのRCTを開始した。
Meiji Seikaファルマの受託研究で抗うつ剤の費用対効果研究を完了し、論文を出版した。
効果の実証に取り組んでいるマインドルフルネス認知療法の研修を複数の企業で実施し、今後の導入発展につなげた。
以上の活動により、十分な達成度を得たと考えている。

公刊論文、学会発表、イベントなど社会貢献の実績

公刊論文数 : 18本

主たる公刊誌名:
Psychiatry and Clinical Neurosciences, Int J Ment Health Syst., J Affect disord
精神科、精神医学、認知療法研究、産業精神保健、産業ストレス研究

学会発表件数(国内) : 14件

イベントなどの社会貢献の実績
2018年06月、08月、2019年02月:
慶應産業精神保健カンファレンス 3回

2019年4月~2020年3月:
小寺記念精神分析研究財団「臨床家のための、産業メンタルヘルス実践セミナー」 15回

中央労働災害防止協会:
「事業場内メンタルヘルス推進担当者養成研修」
「心理相談専門研修」

その他複数企業にて:
「管理監督者向けメンタルヘルス研修」
「新入社員向けメンタルヘルス研修」
「一般社員向けメンタルヘルス研修」

中央労働災害防止協会:
「心とからだの健康づくり指導者等のための実務向上研修」

その他複数企業にて:
「マインドフルネス研修」

センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

2019年度は、KEAP事業を継続し、その知見をさらに蓄積した。
文部科学研究にて、マインドフルネス認知療法のwellbeingに対するプログラムを開発し、RCTを完了させた。 経済産業省事業費および公文教育研究会の受託研究費で実施した認知症に対する学習療法の効果および費用対効果研究の結果をまとめ、論文として出版した。 公文教育研究会の受託研究で、介護者のwellbeingに対する研究を継続している。
Meiji Seikaファルマの受託研究で抗うつ剤の費用対効果研究を完了させ論文が出版された。 効果の実証に取り組んでいるマインドルフルネス認知療法の研修を複数の企業で実施し、今後の導入発展につなげた。
社会的貢献としては、慶應産業精神保健カンファレンスを継続した。さらに、学会や講演会等の機会を活用して我々の取り組みを広く発信した。

センター オリジナルWebサイト:

慶應義塾大学 ストレス研究センター

SDGs

3. すべての人に健康と福祉を3. すべての人に健康と福祉を

メンバー

◎印は研究代表者

氏名 所属研究機関 職位