サイバー文明研究センター (CCRC)

横断

研究概要

Kokuryo

現代のデジタル技術は、コンピュータと情報、そしてインターネットを基盤とし、グローバルに連結されたサイバー空間と、人間社会が形成する国際空間との完全な融合を実現しました。この融合は、自然科学の知見を活用し、新たな道具を生み出すことで、社会の進化と文明の形成に寄与しています。
新技術の導入と情報の共有・流通は、経済や技術の飛躍的発展を促進すると同時に、人々の心や感情に深い影響を与えています。こうしたデジタル技術によって生み出された文明を「サイバー文明」として定義し、テクノロジーの構造を正しく理解しながら、未来社会の設計と構築に貢献することを目的とした研究を行います。

2025年度事業計画

■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標
1. サイバーセキュリティ研究センター
株式会社日立製作所と共同研究「重要インフラの重要な時代におけるセキュリティを支えるプラットフォームの実現」を実施予定。重要インフラを支える最重要な電力システムのサイバーセキュリティ対策を実現し、国際相互認証に基づくDFFT実現に向けたデジタルトラストの技術開発と制度提言および、セキュリティエリートやドメイン知識を備えた人材を育成するエコシステムの確立を目指す。
また、株式会社日立製作所および中部電力株式会社と共同研究「xEMS領域におけるインシデント調査にもとづく有効な対策に関する研究」を実施予定。マイクログリッド・分散型電源のセキュリティ要件の策定を目指す。

2. アジア太平洋レジリエント社会 (APRS: Asia Pacific Resilient Society)
APRSでは、AP地域のレジリエント社会の構築のために、アジア太平洋の研究教育ネットワークの構築、次世代の人材育成、共同研究の推進、オープンサイエンスの推進などの具体的なアクションを設計実装してきた。2025年は2024年に策定した中期プランに従い研究を進めていく。

[国際連携強化]
  • 2025年度は、ベトナムのインターネット関連組織(VNNIC)との連携、ラオス国立大学(National University of Laos)およびブータン王立大学(Royal University of Bhutan)との連携推進のため、それぞれMoUの締結と活動の活性化を探る。

  • [研究教育ネットワーク基盤]
  • 羽田キャンパスにARENA-PAC拠点を構築し、国内外の産学官連携拠点としての活動を計画し、始動する。
  • 新拠点であるUSMを軸にマレーシアRENへの連携を実現し、国際REN連携強化のための各種研究教育活動を実施する。

  • [次世代人材育成 - インターネット技術者人材育成]
  • APIE Program は、2025年8月、2026年2月に、バッチ7, 8 を受け入れる。また、APIE Campを年4開催予定しているが、AITAC, APNIC, パートナー大学と協力してコンテンツの充実を図る。また、より広い視野の技術者育成に向けて、EBA/CBR/APIE など横の連携を強化し、新しいコースの開発を行う。
  • 東ティモール、ミャンマー、ラオスなど、新しい地域・大学での普及に向けたサポート体制を確立する。
  • 一般に向けたインターネット理解の向上を目指し、2023年にリリースした"Understanding the Internet" に続き、同じくCCRC Co-director 村井純教授がEducatorを務める"Participating in the Internet" オンラインコースを開発しリリース予定。内容は、Internet Governanceを含む、社会基盤としてのインターネットにフォーカスする。

  • [次世代人材育成 - EBA (Evidence-Based Approach)]
  • 2025年7月にUSK主催のインドネシアにおけるフィールドワーク、8月に水俣フィールドワークを実施予定であり、2025年も海外学生の日本 (慶應義塾大学)への受け入れとパートナー大学主催のアジア地域でのフィールドワークへの学生の派遣を予定している。
  • USK主催のフィールドワークでは、Open Science の取り組みを拡張する形で、文化遺産のデジタル化をテーマとする予定で、SOI Asia内のシナジー創出の可能性を探る。
  • 2024年度パイロット版を試験実施したEBA共通コースを改良し、異なる2つのフィールドワーク参加者に対し、参加前の同時期にコースを実施する運用方法を試みる予定である。
  • コミュニティ全体のFDとして、2025年5月にはCHULA主催で教員会議を実施し、引き続きパートナー大学と連携しながら、EBAフィールドワークを主軸とした包括的な教育プログラムの開発に注力すると共に、互いの学生が参加しやすいプログラムの枠組みの構築を目標として、教員向けのワークショップの実施、学生支援の仕組みの整備を行う予定である。

  • [オープンサイエンスと研究データ基盤の構築]
    2024年度に「Community-Centric Open Science Infrastructure for Digital Humanities in the Asia-Pacific」と題して、以下のパートナー3大学および協力先とともにパイロットプロジェクトを実施し、文化財のデジタル化を模索した。2025年度は、UNESCO とも協力しながら、(デジタル)アーカイブ化されたデータの具体的な活用方法について議論をしていくとともに、研究データ基盤の整備を進める。
  • ネパール(カトマンズ)の伝統楽器サランギ - TUとの協業
  • インドネシア(マラン)の古代寺院 - UBとの協業
  • インドネシア(バンダアチェ)の墓石群 - USKとの協業

  • [学習履歴と個人認証基盤]
    本コミュニティで実践される様々なフォーマル・ノンフォーマル教育プログラムを受講する人がその受講履歴を在学中だけでなく生涯を通して記録、収集し、証明していくためのデジタルバッジプラットフォーム INXIGNIA(インシグニア)を開発し運用しているが、現在稼働中の Open Badge 2.0 ベースのシステムと並行して、2025年度は、SFCとも連携しながらDID/VC ベースのシステムの開発を行い、SOI Asia を基盤とした実証実験を行う。

    [アジア太平洋地域のグローバル共同研究拠点の確立 - CBR] Community Based Research Framework を活用して、地域に共通する課題を解決する研究開発プロジェクトを実施する。2025年度は、東ティモールでの研究プロジェクトを含む2〜3プロジェクトの採択を予定している。

    [Community Engagement & Outreach]
    2025年3月に新にMoUを結んだ APAN との連携強化に加え、IGF (Internet Governance Forum), AINTEC (Asian Internet Engineering Conference) 、APNIC などに参加し、アジア太平洋地域のインターネットコミュニティにおいて積極的に情報交換、意見交換、成果発表などを実施していく。

    3. 日ASEAN分散電源サイバーセキュリティプロジェクト
  • 2024年度に構築した日ASEAN各国の産官学の有識者を集めた分散型エネルギーシステム(ERAB)、サイバーフィジカルシステムのセキュリティ設計に関する産官学の研究者コミュニティの維持・発展させる。
  • 2025年4月のワークショップ(於 インドネシア・バンドン)を皮切りに、日ASEANの分散型エネルギーシステム(ERAB)におけるサイバーセキュリティ基本的な考え方の整理を目的としたワークショップを複数開催し、コミュニティを構成する研究者間での研究スコープのすり合わせと研究手法のナレッジシェアを行う。
  • 研究コミュニティを構成する研究者の共著として、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)のWhite Paper、CCRCのTechnical Report等を執筆し、研究成果を発表する。
  • 分散型エネルギーシステム(ERAB)のセキュリティに関する教育プログラムの開発
  • 日ASEANの分散型エネルギーシステム(ERAB)に関するサイバーセキュリティ確保の指針等の策定、各国の具体的な取組に落とし込むためのキャパシティビルディング、各国大学におけるセキュリティアセスメントを目的とした研究テストベッドの設置を推進する。

  • 4. デジタルサイバー安全保障プロジェクト
    サイバー空間の「公共空間化」が進展し、提供されるサービスの多様化・高度化が進む中で、サイバー空間内およびサイバー空間とフィジカル空間※5を跨ぐ主体間の「相互連関・連鎖性」が一層深化している。これに伴い、AIを活用した攻撃をはじめとする新たなサイバー攻撃の脅威が顕在化している。こうした状況に対応するためには、先進的なサイバー防御機能および分析能力の強化が不可欠であり、特に「サイバー空間における情報の収集・分析を通じた状況把握能力」および「サイバー攻撃から機器やシステムを保護する防御力」の向上が求められる。このような背景の下、KGRIは「先進的サイバー防御機能・分析能力の強化」を重点課題の一つとして位置づけ、新たに「サイバー攻撃から機器やシステムを保護する防御力の向上」を開発テーマとして採択した。

    5. 大規模広域分散環境の構築
    これまで、大規模な広域分散環境を実現するために、さまざまな活動を行なってきた。インターネットは現在では生活の基盤となり、その重要性は疑問の余地が無い。一方、偽誤情報に関する問題を含め、流通される情報の質について疑問が呈されている状態であり、インターネットを安心して使えるようにする必要がある。これはインターネットを広く普及させてきた我々の責務でもある。また、世界的な情勢を鑑みるに、基盤としてのインターネットのより安定した長期的な運用への努力を欠かすことはできない。さらに、量子インターネットや宇宙インターネット等、新たな領域への取り組みも重要である。従って、今後も、自律分散システムの地球規模のグローバルでの基盤を含む環境構築運用とその上でのアプリケーション展開についての研究を長期的に継続するのが重要である。

    6. メディカルインクルージョン
    成熟したサイバー文明の中の社会像においては、インターネットをベースに地球全体で誰もが最適な健康と医療を享受できる環境が想定される。本プロジェクトの活動を通じて、これまで多様な医療DXの知見が蓄積しているからこそ、サイバー文明下での新たな人間と医療の姿を具体的に描き出すことが可能である。今年度は、本プロジェクトの知的経験を活かして、具体的にサイバー文明の人間の健康像がどのような姿であるべきかを「メディカルインクリュージョン・ビジョン」にまとめ、それに至るロードマップを作成する。また、このビジョンに近づく技術的には可能な医療DXのユースケースを収集し、法的、経済的、倫理的問題など社会実装とのギャップの推定を行うことも想定している。
    上記の作成に付随する諸活動を予定している。(知見の収集と共有のためのセミナーの開催、インタビュー、リサーチ、調査活動、研究発表活動など)

    7. センターとしての継続根拠と目標
    デジタル技術の環境が社会の基盤として急速に発展するとともに、その社会的、人間的な課題も広がっている。これをサイバー文明としてとらえることを共通の理念として、それぞれの具体的な課題の議論に取り向く。その意味で、各グループの活動は順調に成果を上げている。 各グループで設定されている目標を達成するとともに、KGRIとして、CCRCとして、成果が上がり、法学研究科、医学研究科、メディアデザイン研究科、理工学研究科、政策・メディア研究科の連携体制による成果は全塾の成果となることも目標である。


    ■2025年度の新規活動目標と内容、実施の背景
    1. サイバーセキュリティ研究センター
    重要インフラ特に電力のセキュリティ強化に向けて、日本、米国、欧州とで連携してのマイクログリッド・分散型電源のセキュリティ要件を策定し、第15回サイバーセキュリティ国際シンポジウムで成果を発表する。デジタルシステムやデータスペースのデジタルトラスト構築に向けて、慶應が主体となり、インターナショナル・トラステッドリストの国際標準化に提案する。INCS-CoE主催のC2C CTFを2025年7月に米ノースイースタン大学にて開催する。

    2. アジア太平洋レジリエント社会
    (上述の「1,前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標」に記載)

    3. 日ASEAN分散電源サイバーセキュリティプロジェクト
    ①日ASEAN各国の産官学の有識者を集めた分散型エネルギーシステム(ERAB)のセキュリティ設計に関する産官学の研究者コミュニティの維持・発展、②研究者間での研究スコープのすり合わせと研究手法のナレッジシェアを目的としたワークショップ開催、③研究成果物としての東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)のWhite Paper、CCRCのTechnical Report等の執筆・発表、④分散型エネルギーシステム(ERAB)のセキュリティに関する教育プログラムの開発、⑤ASEAN各国における分散型エネルギーシステム(ERAB)の具体的な取組に落とし込むためのキャパシティビルディング、各国大学におけるセキュリティアセスメントを目的とした研究テストベッドの開発を、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)、経済産業省(METI)と連携した共同研究事業として推進する。

    4. デジタルサイバー安全保障プロジェクト
    サイバーレンジでのペネトレーションテスト演習シナリオを作成する。海外調査を踏まえ、脅威アトリビューションシステムを活用した重要インフラ向け動的ペネトレーションテストの適合検証シナリオを作成する。OTシステム向け脅威アトリビューションシステムの要件定義、開発課題の整理、操作マニュアル・研修プログラムの整備を進める。

    5. 大規模広域分散環境の構築
    自律分散システムの地球規模のグローバルでの基盤を含む環境構築運用とその上でのアプリケーション展開についての研究を行う。 取り組む領域として、特に以下にフォーカスする: 1) 広域基盤構築とオペレーション、2)広域基盤構築とオペレーションに向けた教育、3) 信頼のある情報流通視点でのトラスト構築とそのガバナンス、4) インターネットガバナンス、5) 量子インターネット、6) 宇宙インターネット、7) 様々な国際標準化、8) アプリケーション構築
    これらを様々な議論と活動をグローバルに展開する。一方、日本を起点としたインド太平洋領域における学術研究ネットワークの発展に取り組んでおり、これを継続する。加えて、宇宙空間への取り組みを進めて行く。宇宙は分散システムの特性の視点で明確に異なる領域であり、基盤構築の視点で多くのチャレンジのある未踏領域でもある。
    今後ともインターネットの基盤に関連する技術から応用に至る様々な研究活動を推進するとともに、他のプロジェクトとの連携をしながら、新しい研究テーマや研究プロジェクトの創生に寄与していく。

    6. メディカルインクルージョン
    成熟したサイバー文明の中の社会像においては、インターネットをベースに地球全体で誰もが最適な健康と医療を享受できる環境が想定される。これまでの本プロジェクトでの知見を最大限に引き出して「メディカルインクリュージョン・ビジョン」としてサイバー文明の医療と健康の姿を掲げる。2050年までに、そのビジョンを現実の世界に構築するためには、具体的にどのような課題や方法論が可能であるのかを計画書(ロードマップ)として策定する。そのためには、医療と健康のデジタルトランスフォーメンに関するあらゆるケースの分析と整理が欠かせず、また、専門性の高い事例の収集や評価軸の設計が必要となる。さらに、ロードマップの作成に際して、各フェーズを指定しタイムラインに落とし込むためには、現状の医療DXの客観的評価と、メディカルインクリュージョン・ビジョンのギャップの推定が不可欠である。また、メディカルインクリュージョンビジョンを達成するためのロードマップの作成は、本年度のみならず長期的にいくつかのバージョンを経ることによって、より精度が高く有効なものへと改善することを想定している。本年度は、その基礎的な研究となることを予想している。
    具体的な文書「メディカルインクリュージョン・ビジョン2050へのロードマップ」としての内容は以下のような項目を想定している。
    ・第1部 メディカルインクリュージョン・ビジョン2050年
    ・第2部 メディカルインクリュージョンに向けた先駆的事例の紹介
    ・第3部 メディカルインクリュージョンケーススタディ
    ・第4部 2050年ビジョンに向けたロードマップ
    ● サイバー文明の創成
    ・メディカルインクリュージョンに至るまでの過去のサイバー文明の黎明期部分についても関係者との対話を通じて明らかにする。


    2024年度事業報告

    ■当該年度事業(活動)計画に対する実施内容、および研究成果と達成度
    1. サイバーセキュリティ研究センター
  • 株式会社日立製作所と共同研究「重要インフラの重要な時代におけるセキュリティを支えるプラットフォームの実現」を実施し、デジタルインフラ、エネルギーインフラの2テーマを立ち上げ、テストベッド開発、課題抽出をおこなった。
  • 株式会社日立製作所および中部電力株式会社と共同研究「xEMS領域におけるインシデント調査にもとづく有効な対策に関する研究」を実施し、マイクログリッド・分散型電源のセキュリティの方向性を整理した。
  • 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による経済安全保障重要技術育成プログラム(通称"K Program")の一環で「先進的サイバー防御機能・分析能力強化」の研究開発項目のひとつを受注。期間は2024年7月から2029年6月(予定)。新たに「デジタルサイバー安全保障プロジェクト」を立ち上げた。
  • 「第14回サイバーセキュリティ国際シンポジウム」主催・講演 (2024年10月)

  • 2. アジア太平洋レジリエント社会 (APRS: Asia Pacific Resilient Society)
    APRS (Asia Pacific Resilient Society) は、KGRI内CCRC(Cyber Civilization Research Center)で、2021年4月にスタートしたWorking Groupである。『アジア太平洋のレジリエント社会の構築』をミッションとして掲げ、アジア13カ国20大学・研究組織と共同で進める『SOI Asia』の中核となる研究および本部機能を担い、アジア太平洋地域の研究教育を推進している。アジア太平洋の研究教育ネットワークの構築、次世代の人材育成、共同研究の推進、オープンサイエンスの推進などの具体的なアクションを設計し、現在パートナー大学とともに推進している。

    [国際連携強化]
  • 大学間の学生交換、教員交換などを促進するために、パートナー大学とのMoUを再締結・新たに締結するプロセスを2022年から開始している。2024年度は、タイのAIT(Asian Institute of Technology)およびフィリピンのUSC(University of San Carlos、 Philippines)の2大学と締結し、合計17大学とのMOUが締結されている。
  • 2024年11月、UNESCO とKGRI のMoUを締結し、オープンサイエンスに関する協力体制を強化。 "Mobilizing Science Knowledge for Sustainable Development in East Asia and wider Asia-Pacific through ICT and Open Science".
  • アジアの研究教育ネットワーク(REN)の連携を行う組織である APAN (Asia Pacific Advanced Network) との MoU を締結(2025年3月)した。今後さらなる協調が期待できる。
  • 羽田イノベーションシティ内に新しい研究拠点を開設した。日吉・三田に分散していたスタッフを集約し、かつ、高速な研究教育ネットワーク設備も敷設。2025年度本格稼働予定。

  • [研究教育ネットワーク基盤]
    アジア太平洋の研究教育ネットワークのバックボーン構築プロジェクトである ARENA-PAC と協力して以下の活動を行った。
  • 2024年度は、アジア太平洋地域に構築したGuamに続く一つのハブとしてのシンガポール拠点の構築を準備した。 2025年3月に運用開始。
  • 2022年インドネシア、2023年フィリピンに続き、グローバル研究協力を支援するため、マレーシア科学大学(USM)と新たに協定を結び、マレーシアの国立研究大学グループ (MYREN) との連携を目指した、シンガポール-ペナン(USM)間の100Gbps 研究教育ネットワーク基盤を構築(2025年3月)

  • [次世代人材育成 - インターネット技術者人材育成]
    インターネット基盤がレジリエントであるためには、それを担う人材が不可欠であるが、昨今、若者層がインフラ系技術から離れる傾向がアジア共通の課題となっている。本プロジェクトではその解決が急務であることを認識し、APNIC、AITACと協力して、アジア太平洋地域におけるRENの運用を担う人材や、インターネット分野の研究者を目指す若手人材を醸成することを目的として、2021年よりプログラムの開発を開始した。2024年度は以下の活動を行い、成果を出した。
  • APIE Core Course の実施: 次世代のインターネット研究開発をになう人材育成の活動として、学生向けに特化した APIE (Asia Pacific Internet Engineering) コースを運用し、2024年は4月(第4バッチ)と8月(第5バッチ)に学生を受け入れて、アジア各地から 927 名の学生が参加した。前年より2倍の参加者数となり、また、TA制度の導入により修了率も大幅にアップした(15% → 36.2%)
  • APIE Camp の実施: 2023年2月に日本で実施した内容をベースに共通のCampプログラムを開発し、2023年ITB開催を皮切りに、2024年は2月、8月、11月にUSM(マレーシア)、UNHAS(インドネシア)、USK(インドネシア)と、各パートナー大学によって積極的に開催された。APIE Camp 修了者向けに、APIE Advaned Camp を設計し、第1回を 2024年3月に日本で開催した。2024年、これらの Camp には7カ国9大学から92名の学生が参加した。また、APIE Campへの女子学生の参加率が向上し、8月のUNHASでは約50% に上った。
  • APIE 単位化に向けた動き: 2024年度はAPIE プログラムをベトナムに普及するために VNNIC との協力体制を構築した。VJU(日越大学)において、APIE Online で提供するコースが単位科目の中での教材として採用された。
  • APIE 一般向けコース:一般に向けたインターネット理解の向上を目指し、2023年に世界リリースした"Understanding the Internet" は1200人以上が学ぶ。それに続き、同じくCCRC Co-director 村井純教授がEducatorを務め、Internet Governanceを含む、社会基盤としてのインターネットにフォーカスした。"Participating in the Internet" オンラインコースを開発中(2025年3月)。

  • [次世代人材育成 - EBA (Evidence-Based Approach)]
    EBAプロジェクトは、レジリエントな社会のために、社会課題を、エビデンスをベースに分析し、コミュニケーションができる人材を育成することを目的として、2016年より文科省の支援を得て、慶應義塾大学を中心とした幾つかのアジアのパートナー大学と協力して開始した教育プログラムである。フィールドワークを中心とした教育プログラムで、データの収集、分析、ストーリーテリングの3つのスキル教育と課題を共有するコミュニティ形成を促進している。2024年度は以下の活動を行った。
  • EBA インドネシア・カリマンタンフィールドワーク: ITB (バンドン工科大学)と共同で、インドネシア・東カリマンタン島でのフィールドワークを成功させた。1年以上の準備期間をかけて、これからも継続できる形を構築した。新首都移転による地域への環境、社会インパクトにフォーカスしたプログラムを2024年6〜7月実施し、慶應を含む8大学から12名の学生が参加し、インドネシアの首都移転予定地である東カリマンタン州をフィールドに、そこから得たデータをもとに「持続可能な都市」の定義を人間、文化、自然の側面から考え、そのコンセプトを映像化した。
  • EBA 水俣フィールドワーク: EBA が2016年から継続して実施しているフィールドワークである。2024年は、8月1日から7日の日程で、熊本県水俣市で実施した。慶應を含む10大学から合計13名が参加した。参加者は地域社会が直面している問題を掘り下げ、水俣市の持続可能な発展のために可能な解決策を提案した。
  • EBA 共通コース開発: 学生がエビデンスに基づいて課題を特定し、取り組むための準備を進めることを目的とし、EBAフィールドワークに参加する前の学生を対象にしたコースを開発した。本コースを通して、学生はエビデンスに基づくリサーチ・マインド、基本的なデータの取り扱いと探索スキル、リサーチ・コミュニケーション・テクニックを習得させることを目指している。2024年度に実施した2つのフィールドワークの参加者合計25名に対してパイロットプログラムを実施し、2025年度の本格運用に向けた知見をまとめた。

  • [学習履歴と個人認証基盤]
    本コミュニティで実践される様々なフォーマル・ノンフォーマル教育プログラムを受講する人がその受講履歴を在学中だけでなく生涯を通して記録、収集し、証明していくためのデジタルバッジプラットフォーム INXIGNIA(インシグニア)を開発し運用している。
  • 2024年度 INXIGNIAは、オンラインコースやフィールドワークなど13のプログラムを修了した12大学の学生に合計 774 のデジタルバッジを発行した。
  • 2024年度は、INXIGNIAの一部として稼働していた認証部分を、様々な教育プログラムで利用するために独立させた SOI Asia IdP を開発し、2025年2月から運用を開始した。
  • INXIGNIAに興味を持つ複数の大学が試用を始めている。今後の持続的な運用のため INXIGNIA Consortiumの設立を議論している。
  • ヨーロッパとアジアが協力して進めている認証に関するワーキングチームである MICROCSA 主催のワークショップ(フィリピン)に出席し、協力体制について議論した。その結果として、MICROCASA より正式に参加表明を受領した(2025年2月)。
  • CCRCのTrust Working Group とも連携し、次世代の標準化の動向を見据えながらOpen Badge 2.0 ベースのINXIGNIA1.x を運用しながら、並行して、DID(Decentralized Identity)/VC(Verifiable Credential) をベースの INXIGNIA2.0 を開発始した。
  • INXIGNIA で可視化される学習履歴を基盤として、学生が自らラーニンブパスウェイを設計するなどの機能を実装してキャリアパス設計のサポートを行う機能や、SOI Asia コミュニティ内での学生モビリティ向上を促進するプログラムとの連携を進めている。これをまとめた論文は、CSEDU 2024 において Best Position Paper を受賞した。

  • [アジア太平洋地域のグローバル共同研究拠点の確立]
    大学間協力を前提とした CBR (Community Based Research) Framework に従い、CCRCを中心に共同研究を推進している。
  • 2024年度は、交通機関のIoT利用、スマートの農業のIoT利用、クラウド基盤の基礎研究などの研究プロジェクトが修了し、成果をコミュニティに還元するフェーズに移行した。
  • Starlinkと地上回線を柔軟に利用することで、災害時の大学の接続性確保のためのフィージビリティスタディとして、Disaster Drillを実施した。
  • 2025年3月に成果の Showcase を実施し、学生を中心とした若手による研究成果の発表会を兼ねて多くのAP地域の研究者との交流を実施した。

  • [オープンサイエンスと研究データ基盤の構築]
  • UNESCOと協力し、オープンサイエンスをHumanity分野で実践する共同研究として、ネパール(伝統楽器サランギ)、インドネシア・マラン(古代寺院)、インドネシア・アチェ(墓石群)の3サイトにおいて現地の大学と協力した文化財のデジタル化プロジェクトが本格的に開始された。
  • ITBとの共同研究により、データ共有のシステムプロトタイプが開発され、ユーザ向けのワークショップを実施した。

  • [Community Engagement & Outreach]
  • 2024年6月フィリピン・セブにおいてUSC主催でパートナー会議を実施し、10カ国より59名のコアメンバーが参加した。併設開催として現地APIE参加学生向けに、"Meet the Engineer" セッションを開催し、集まったメンバーたちと将来のキャリアについて話し合う機会を設けた。
  • 2024年10月、BUET(Bangladesh University of Engineering and Technology)主催のパートナー会議を実施した。バングラデシュ開催を予定していたが急遽オンラインに切り替えて17カ国から78名の参加者がオンラインで活発な議論を行った。
  • AINTEC(Asian Internet Engineering Conference, 2024年8月・シドニー)にはAPIEのメンバーが参加し、APIE Campを題材にした論文発表を実施した。
  • 欧州RENの年次大会であるTNC24(2024年5月・フランス・レンヌ)に参加し、アジアのRENについての発表を行い、さらなる連携や協力について議論を行った。

  • 3.日ASEAN分散電源サイバーセキュリティプロジェクト
  • 2024年7月、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)と連携した、ASEANにおける分散型エネルギーシステム(Energy Resource Aggregation Business、以下ERAB)の普及に向けた、セキュリティアセスメント手法の開発、関連制度及び関連技術のモデリングの研究プロジェクトとして始動。
  • 2023年12月のアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳共同声明は、「地域間連携及び系統柔軟化の拡大」、「信頼性の高い再生可能エネルギーベースのマイクログリッド化」を進めることに合意しており、本事業は、日本が事務局を務めるアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)イニシアティブに基づくプロジェクトの一つとして位置づけられる。
  • 本年度において、SOI ASIA(School on Internet Asia)と連携しながら、日ASEAN各国の産官学の有識者を集めたサイバーフィジカルシステムのセキュリティ設計に関する産官学のコミュニティを構築し、分散型エネルギーシステム(ERAB)普及に向けてのサイバーフィジカルシステムとしてのセキュリティ確保の整理を行った。
  • 2024年10月、インドネシア・ジャカルタのERIA本部において、インドネシア・マレーシア・タイの産官学の専門家を招聘した官民ワークショップを開催し、本研究のスコープを共有した。
  • 2025年1月、ASEAN議長国であるマレーシアにおいて第二回目の官民ワークショップを開催し、IECにおける国際標準化及び日本における制度設計などの先行研究の整理及びマレーシアがCCRCとの連携に基づき先導するテストベッドの紹介が行われた。

  • 4. メディカルインクルージョン
  • 「第4回医療と健康のDXセミナー -AI前提の健康・医療-」を開催。(2025年3月)公衆衛生の専門家 尾身茂氏を初め、医師、AI開発の最先端を担う企業、多くのステークホルダーと共に、コロナ禍のデジタル医療の反省から、サイバー文明での医療の理想まで、あらゆる医療DXの知見を共有できた。
  • イベントレポート前半後半を日本語版、英語版をCCRCホームページで公開。(2025年3月)
  • 佐野仁美, 国際比較文明学会ISCSC 2024, カナダ・アルベルタ州 Lethbridge大学「Medical Inclusion Health and Medical in the Global Digital Civilization」デジタル医療を文明の進化の観点から論じ、メディカルインクリュージョンの口頭発表を行った。デジタル文明における新たな生命観や医療の解釈は、各国の文明論者に対して大きなインパクトを与えた。(2024年5月)
  • 佐野仁美,「比較文明の窓」上記国際大会でのメディカルインクリュージョンの発表報告書が国内の日本比較文明学会のHPのトップページに掲載されている。(2024年5月-現在)

  • 5. センターとしての活動成果
  • CCCRC鼎談企画「サイバー文明の創生」
    佐野仁美「Notes from Conversation with Professor David Farber: A Pioneer's Perspective on the Internet's Beginnings and Growth」/「デイビッド・ファーバー教授との会話ノートインターネットの始まりと成長に関する先駆者の視点」サイバー文明の創生に関わるCCRC共同代表デイビッド・ファーバー教授の重要な会話内容を、特にインターネットガバナンスの変遷という観点から収めたノートを日本語と英語で公開(2025年3月)
  • CCRCプロジェクトルームの開設
    羽田空港に隣接した東京都大田区羽田イノベーションシティに慶應義塾大学KGRIサイバー文明研究センター CCRCプロジェクトルーム(羽田キャンパス)を開設し、開所式を開催。(2025年3月8日)

  • ■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)
    1. 出版物・論文・学会発表
  • 佐野仁美「比較文明から見た World Wide Web 人類に一つの情報空間の構造化」 第42回比較文明学会 , 口頭発表, (2024年12月)
  • 梅嶋真樹(2024)『IoTネットワーク専門委員会‐標準類制定状況』、TTC Report Vol.39/No.1 Spring 2024
  • Masaki Umejima, et al(2024), "Distributed Energy Resource Aggregation Business System - PART 2: Risk assessment and treatment", New work item proposal, International Electrotechnical Commission System Committee for Smart Energy
  • Ikeda, R., Ferriyan, A., Okawa, K., and Thamrin, A. H. (2024). Design of A Learning Reflection Tool to Promote Learning Mobility Using Open-badges, In Beyond SDGs Innovation Research, Volume 2, Issue 2, pp. 19-23.
  • [Presentation] APNIC 58 (https://conference.apnic.net/58/) on September, 2024
     ・APNIC Foundation session
      https://conference.apnic.net/58/program/program/index.html#/day/6/nextgen-and-leadership-bof/
     ・Noriatsu Kudo
  • [Presentation] AP Star retreat
     ・Noriatsu Kudo, APiE update, AP Star retreat September 3rd, 2024, Wellington, New Zealand
  • [Presentation] TNC24, Keiko Okawa, Panelist of the Panel Discussion "United or divided: How will our community be working together by 2040?" organized by GÉANT, June 13, 2024
    https://tnc24.geant.org/sessions/#s526
  • Kurazumi, Y., Uchida, Y., Arima, S., Kudo, N., & Okawa, K. (2024, August). Examining Technologies to Reduce Response Time in Hands-on Exercise Environment Over Widely Distributed Computer Network Utilizing RENs. In ASIAN INTERNET ENGINEERING CONFERENCE 2024 (pp. 36-45).
    https://dl.acm.org/doi/10.1145/3674213.3674218
  • Miyakita, G., Akashi, E., Itagaki, K., Homma, Y., & Okawa, K. (2024, September). From marginalization to exhibition: Embracing indigenous Ainu history through cross-cultural dialogues, 7th World Conference of the International Federation for Public History (IFPH 2024), on 3-7 September 2024, Belval, Luxembourg.
  • Miyakita, G., Akashi, E., Homma, Y., & Okawa, K. (2024, August). Community-Centric Open Science Infrastructure for Digital Humanities in the Asia-Pacific, Digital Humanities 2024. ADHO Digital Humanities Conference (DH2024), Washington, D.C., on 6-9 August 2024
  • Ikeda, R., Ferriyan, A., Okawa, K., & Thamrin, A. H. (2024, May). A Community-Based Support Scheme to Promote Learning Mobility: Practices in Higher Education in Southeast Asia and Japan. 16th International Conference on Computer Supported Education (CSEDU 2024), on 2-4 May 2024
  • Hundzinski, L., Assilmia, F., Okawa, K. and Vu, L. (2024, May). Exploring the Significance of 360-Degree Video Technology on Fieldwork Learning in Higher Education: Students' Perspectives. 16th International Conference on Computer Supported Education (CSEDU 2024), on 2-4 May 2024.
    https://doi.org/10.5220/0012707200003693
  • Assilmia, F., Gunawan, E. A., Ikeda, R., & Okawa, K. (2024, April). A Guide to Immersive 360-degree Video Storytelling in Career Exploration for Rural Children. In 3rd International Conference of Art, Craft, Culture and Design (ICON-ARCCADE 2023) (pp. 131-142). Atlantis Press.
    https://doi.org/10.2991/978-2-38476-238-5_13
  • 手塚 悟「ウクライナ情勢における重要インフラ防御と台湾有事への備え」シリーズ サイバーセキュリティとデジタル化戦略を考える①、防衛技術ジャーナル 2024年3月
  • 手塚 悟「米国の国家安全保障におけるサイバーセキュリティとデジタル化戦略」、シリーズ サイバーセキュリティとデジタル化戦略を考える②、防衛技術ジャーナル 2024年4月
  • 手塚 悟「我が国の国家安全保障におけるサイバーセキュリティとデジタル化戦略」、シリーズ サイバーセキュリティとデジタル化戦略を考える③、防衛技術ジャーナル 2024年5月
  • 手塚 悟「デジタル化戦略の要であるサイバーインテリジェンスとセキュリティクリアランス」、シリーズ サイバーセキュリティとデジタル化戦略を考える④、防衛技術ジャーナル 2024年6月
  • 手塚 悟「国家安全保障・経済安全保障・社会保障におけるサイバーセキュリティ戦略~国際相互認証を踏まえたデジタルトラストの必要性~」、特集 経済安全保障に向けたセキュリティ・アシュアランス~信頼の基盤構築のためのアプローチ、情報処理 Vol.65 No.8 Aug. 2024

  • 2. 共同研究成果
  • Comparison Report of International Mutual Recognition for Trust Services Infrastructure, Available: https://d-trust.sfc.wide.ad.jp/#jpeuin
  • 三田評論12月号、口絵「第14回サイバーセキュリティ国際シンポジウム」
  • 読売国際会議2024「サイバー攻撃への備えは」、読売新聞2024年11月9日朝刊

  • 3. 開催イベント
  • 第4回医療と健康のDXセミナー開催(2024.3):2021年から始めた医療と健康のDXセミナーの第4回目では150名近い参加者の見込みがあるなか、「AI前提の健康・医療」をテーマに有識者、医療人、企業人による講演、ディスカッションが行われた。
  • 第14回国際サイバーセキュリティシンポジウム「国家安全保障、経済安全保障、社会保障のためのデジタル・サイバー安全保障戦略」開催(2024.10):3日にわたり政府、産業界、アカデミアによるデジタル・サイバー安全保障に向けた議論が行われた。読売国際会議「サイバー攻撃への備えは」を共催。
  • INCS-CoE主催の2024 C2C (Country-2-Country) CTF (Capture-the-Flag)を、2024年8月、オーストラリアのエディスコーワン大学がホストとなり開催。36か国から300名以上の学生がリモートで競技に参加。
  • テッド・ネルソン氏招聘特別シンポジウムの開催(2024年11月28日)ハイパーテキストの生みの親として知られ、今日の情報空間の形成に大きく貢献したテッド・ネルソン氏を招き、三田キャンパスにてシンポジウムを開催した。
  • シンポジウム「個人データ保護のグローバル・マップ~憲法と立法過程・深層からみるプライバシーのゆくえ~」を三田キャンパスにて開催。(2024年6月)

  • ■プロジェクト活動を通じて特に成果を挙げた事柄
    1. サイバーセキュリティ研究センター
    サイバーセキュリティに関しての共同研究としての個別テーマの成果に加えて、慶應義塾としてのサイバーセキュリティシンポジウムを開催することで、各国大使館をはじめとする国際協調と連携を実現することができた。NEDOのKプロの研究開発予算を獲得し、新たに「デジタルサイバー安全保障プロジェクト」を立ち上げ、今後5年間をかけて研究を推進する。

    2. アジア太平洋レジリエント社会(APRS)
    個別のテーマの成果に加え、本プロジェクトでは、特に各分野での次世代の人材育成に力を入れており、アジア各国の若い世代が集い、ともに学び合い研究する環境を構築することを全プロジェクトに意図的に組み込んできた。その集大成として2025年3月に横浜で実施した全サブプロジェクトの教育、研究の Showcase は、アジア各国から参加した優秀な学生を中心に半年かけて企画・制作を実施したが、素晴らしいプレゼンテーションとインタラクティブなポスターセッションを通して、確実に本プロジェクトが目指す環境の価値を証明したと言っても過言ではない成果だった。また、実際に参加した学生がこのコミュニティの価値を高めていきたいという声もでている。今後も、この学びと研究のグローバルな環境のエコシステムが効果的に発展するよう、推進していく。

    3. 日ASEAN分散電源サイバーセキュリティプロジェクト
    SOI ASIA(School on Internet Asia)と連携しながら、日ASEAN各国の産官学の有識者を集めたサイバーフィジカルシステムのセキュリティ設計に関する産官学のコミュニティを構築した。同時にコミュニティを構成する研究者を2024年10月のインドネシア・ジャカルタ、2025年1月マレーシア・クアラルンプールと連続開催した研究ワークショップに招聘し、分散型エネルギーシステム(ERAB)普及に向けてのサイバーフィジカルシステムとしてのセキュリティ確保の整理を行った。

    4. メディカルインクルージョン
    2022~2025年にかけて4回にかけて開催されてきた医療DXをテーマにしたセミナーの内容を総括した書籍を出版するなど、医療・健康分野の第一線で活躍する各者の先端の知見を広域に共有を地道に続けてきた効果が各所で見られる。本プロジェクトの成果物を通じて、新たな研究者との意見交換や海外での翻訳出版の打診など様々な可能性が開けた。本プロジェクトを通じて、DX、ロボティクス、AI、新しいデジタルデータを前提とした医療のあり方に向けて、前向きに取り組もうとするステークホルダーが増えたことが顕著である。セミナーの開催や、新たに取り組むべき標準化への挑戦、制度整備、産官学で取り組むべきことの議論に積極的に関わろうとする企業や研究者らの変化が見られたが、これは当初より本プロジェクトが目指していた意図が実現していると断言できる。

    2023年度事業報告

    ■当該年度事業(活動)計画に対する実施内容、および研究成果と達成度
    □当センター傘下の各ワーキンググループの活動成果
    アジア太平洋レジリエント社会(APRS: Asia Pacific Resilient Society)
    [研究教育ネットワーク基盤]
  • 東ティモールの研究教育ネットワークを開通(2023年6月)
  • インドネシアで教育研究用の国際100Gbpsネットワークが運用開始され(2023年8月)
  • フィリピンで研究教育用国際100Gbpsネットワークが開通(2024年1月)
  • [次世代人材育成]
  • 次世代のインターネット研究開発をになう人材育成の活動として、学生向けに特化した APIE (Asia Pacific Internet Engineering) コースを開発。2023年度は、バッチ2(2023年5月〜)、バッチ3(2023年9月〜)を受け入れ、9カ国24大学から483名の学生が参加。修了者を対象とした2種類の APIE Camp 設計し、慶應、ITB(インドネシア)、USM(マレーシア)、にて主催。合計で、2カ国4大学から 44名が参加。
  • 一般に向けたインターネット理解の向上を目指し、CCRC Co-director 村井純教授がEducatorを務める"Understanding the Internet" オンラインコースを開発し、2023年3月に世界リリース(FutureLearn)。2024年4月現在、92カ国から1300名以上の受講者が学び、大変高い評価を得ている。
  • Evidence Based Approach を育成するフィールドワーク教育プログラムを継続。2023年度は、北海道、熊本、水俣、マレーシア、ベトナムでのフィールドワークプログラムを開発、実践。10大学より46名の学生が参加。
  • [アジア太平洋地域のグローバル共同研究拠点の確立]
  • 大学間協力を前提とした CBR (Community Based Research) Framework を確立し、CCRCを中心に5大学との共同研究プロジェクトの契約を3件締結し、IoT、Cloud、Network技術 などに関する研究をアジア全体で推進。
  • UNESCOと協力し、オープンサイエンスをHumanity分野で実践する共同研究として、カンボジア、インドネシア、ネパール等各国の文化財のデジタル化プロジェクトを開始。
  • [Community Engagement & Outreach]
  • Internet Governance Forum (2023年10月・京都)にて、本プロジェクトが推進する様々な研究・実践成果を展示。特に、関連セッションと連動して、研究教育ネットワークの重要性を、総務副大臣をはじめ、国内外の多くのステークホルダーにアピールすることに成功した。

  • メディカルインクルージョン
  • 「第3回医療・健康のDXセミナー~医療と健康に貢献するデジタルデータ~」開催イベントレポート前半後半の日本語版、英語版をCCRCウェブサイトで公開。(2023年5月)
  • メディカルインクリージョンセミナーの内容をまとめたWIP論文「情報社会の完成を前提とした医療プロセス」を 情報社会学会に投稿し口頭発表。(2023年9月)
  • 「医療と健康のDX」と題するワーキングペーパー(KGRI)と書籍(インプレス)を出版(2023年12月、2024年3月)

  • サイバーセキュリティ研究センター
  • 株式会社日立製作所と共同研究「ニューノーマルやゼロトラスト時代のセキュリティを支えるプラットフォームの実現をリードする研究」を実施し、分散SOCの開発、トラスト技術開発及び制度提言、人材育成をおこなった。
  • 株式会社日立製作所および中部電力株式会社と共同研究「サイバーセキュリティインシデント対応に関する共有情報の知識化」を実施し、知識化についての実装・評価をおこなった。
  • 内閣官房サイバー安全保障体制準備室主催「サイバー安全保障に関する意見交換」での発表 (2023年4月)
  • 総務省サイバーセキュリティ統括官室意見交換 (2023年4月)
  • 日本国際フォーラム(JFIR)、名古屋大学大学院国際開発研究科、英国国際法比較法研究所(BIICL)共催国際シンポジウム「サイバーセキュリティガバナンス:挑戦と可能性」講演 (2023年5月)
  • 内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター「第36回サイバーセキュリティ戦略本部会合」出席 (2023年7月)
  • 「民間サイバー防衛支援組織検討会」開催 (2023年7月)(2023年12月)(2024年1月)
  • 「NICTナショナルサイバートレーニングセンターアドバイザリーコミッティー会合」出席 (2023年10月)
  • 「第13回サイバーセキュリティ国際シンポジウム」主催・講演 (2023年10月)
  • 「8th Franco-Japanese Cybersecurity Workshop」講演・出席 (2023年11月-12月)
  • 「日経Cyber Initiative Tokyo」講演 (2023年12月)

  • 良質なメディアと一般市民のメディアリテラシーを支援するWEB標準技術研究会(WGML: Web Standards and Technology Study Group to Foster Good Media and Media Literacy in the General Public)
  • 「オリジネーター・プロファイル(OP)技術研究組合」活動に参加し、OP技術の開発と社会実装に向けたルール構築に貢献
  • シンポジウム「デジタル空間の活用と健全化に向けて」講演 (2023年4月)
  • KGRI「情報的健康プロジェクト:アテンションエコノミーの暗翳と『情報的健康』−総合知で創出する健全な言論空間」講演 (2024年3月)

  • □センターとしての活動成果
  • 藤田医科大学とシンガポール国立大学間の遠隔手術の実証実験の成功に貢献(2023.10)
  • Weekly CCRC/IP-Asia Monday session
    毎週月曜夜にオンラインで行われているデイビッド・ファーバー教授とダン・ギルモア教授率いるトークセッションを2020年より継続中。毎回様々な分野のゲストを招き講演をしてもらっている。
  • インタビュー活動
    CCRCメンバーを始め、サイバー文明に関連した分野を専門とする研究者にインタビューを行い、当センターウェブサイトに記事として掲載する広報活動を継続中。

  • ■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)
    【主な出版物・論文】
  • 板垣 清子, 明石 枝里子, 佐藤 千尋, 大川 恵子 (2024).「アジア太平洋地域社会の共通課題解決に向けた人材育成プログラムにおける多様な視点を育むフィールドワークのデザイン」2024年サービス学会 第12回国内大会.
  • Okawa, K., Invited-Talk: Fostering Sustainable Futures through Collaborative Innovation: Lessons from the AI3/SOI-Asia Project, SIET '23: Proceedings of the 8th International Conference on Sustainable Information Engineering and Technology in Bali on 24-25 October 2023. https://doi.org/10.1145/3626641.3629026
  • Okawa, K., Kudo, N., Invited-Talk: APNIC Foundation session: Supporting the future of Research and Education Networks (RENs) (2023, October), APNIC 56 in Kyoto on 7 to 14 September 2023 https://conference.apnic.net/56/ (accessed on 2024 April)
  • Ikeda, R., Ferriyan, A., Okawa, K., & Thamrin, A. H. (2023, August). Enhancing Learning Mobility with a Community-Based Micro-Credential e-Portfolio Platform Service for Higher Education. In European Conference on Technology Enhanced Learning (pp. 566-572). Cham: Springer Nature Switzerland. https://doi.org/10.1007/978-3-031-42682-7_43
  • Okawa, K. (2023)Participation as panelists; STEPAN UNESCO Joint Workshop on Open Science Infrastructure and Leveraging on Artificial Intelligence for An Effective Open Science Platform held in Jakarta on 31 May - 1 June 2023. https://stepan.org/2023/05/stepan-third-annual-meeting/ (accessed on 2024 April)
  • Akashi, E., Miyakita, G., & Okawa, K. (2023, June). Fostering a Culture of Inclusive and Fair Open Science Infrastructure in the Asia Pacific. Digital Humanities 2023. Collaboration as Opportunity (DH2023), Graz, Austria. https://doi.org/10.5281/zenodo.8108079
  • Arima, S., Maekawa, M. S., Kudo, N., & Okawa, K. (2023). Design of a Blended Learning ICT Education Program for Undergraduate Students in Asia-Pacific Based on Communities of Practice. In J. Jovanovic, I.-A. Chounta, J. Uhomoibhi, & B. McLaren (Eds.), Proceedings of the 15th International Conference on Computer Supported Education - Volume 2, CSEDU 2023 (pp. 581-588). (International Conference on Computer Supported Education, CSEDU - Proceedings; Vol. 2). Science and Technology Publications, Lda. https://doi.org/10.5220/0011997700003470
  • SOI Asia and AI3 Project activities exhibition the WIDE booth (2023, October), IGF Kyoto 2023, Kyoto on 8 - 12 October 2023. https://www.soumu.go.jp/igfkyoto2023/en/ (accessed on 2024 April)
  • Okawa, K., Invited-Talk: アースデイ特別トークセッション 教育の未来 (2023 April), FORUS FOR EARTH ~アースデイ~, 金沢 on 16 April 2023.
  • 医療と健康のDXワーキングペーパー(村井純、川森雅仁、山本隆太郎、佐野仁美編集,2023.12):コロナ禍に開催された3回に渡る医療と健康のDXセミナーの内容を総括したペーパー
  • 医療と健康のDX(同上編集・インプレス出版,2024.3): 上記ワーキングペーパーの書籍版
  • "Establishing altruistic ethics to use technology for Social Welfare―How Japan manages Web3 and self - sovereign identity in local communities", Electronic Markets Volume 34(2024.3): 個人の自律性を強力に保護する自己主権的アイデンティティ(SSI)とWeb3ツールの技術が利他的価値をどのように育むことができるかを明らかにした論文。
  • 「比較文明から見たデジタルアーキテクチャ」佐野仁美、比較文明学会会報 伊東俊太郎先生追悼特集号 (DTP出版) (2024年2月)
  • 「人智の大移転―情報文明と翻訳―」佐野仁美、第41回比較文明学会大会 比較文明学会(2023年11月)

  • [共同研究成果(Community-Based Research Framework)]
  • Kam, S. H., Chong, Y. W., Ibrahim, N. F., Keoh, S. L., Phon-Amnuaisuk, S., & Rahim, S. K. A. (2024, February). Predicting Estimated Time of Arrival Using Boosting Models. In 2024 International Conference on Artificial Intelligence in Information and Communication (ICAIIC), 19-22 February 2024, pp. 467-472, IEEE.
  • S. Muchallil, S. Roza, M. H. Al-Assad, Y. Candra, M. Fitria, and R. Dawood, "Deep Learning Implementation for Pineapple Sweetness Classification," in Data Science and Artificial Intelligence, C. Anutariya and M. M. Bonsangue, Eds., in Communications in Computer and Information Science. Singapore: Springer Nature, 2023, pp. 185-197. doi: 10.1007/978-981-99-7969-1_14.
  • Z. Li, Y.-W. Chong, M. N. Ab Wahab, G.-K. Lim, and R. Dawood, "Classification and Prediction of Pineapple Quality using Deep Learning," in 2023 4th International Conference on Big Data Analytics and Practices (IBDAP), Bangkok, Thailand, Aug. 2023, pp. 1-6. doi: 10.1109/IBDAP58581.2023.10271948.
  • M. Fitria, Y. Candra, M. H. Al-Assad, S. Roza, and R. Dawood, "A Deep Learning-Based Model for Classifying Sweetness Level of Sky Rocket Melon: A Preliminary Result," in 2023 2nd International Conference on Computer System, Information Technology, and Electrical Engineering (COSITE), Aug. 2023, pp. 204-209. doi: 10.1109/COSITE60233.2023.10250114.
  • Maya Fitria, Muhammad Hafez Al-Assad, Yudi Candra, Silvia Roza, and Rahmad Dawood, "A Preliminary Results of a Deep Learning Model for Classifying Watermelon Sweetness Through Field Spot Detection," in Proceeding of the 1st International Conference on Business and Technological Advancement in Industrial Revolution 4.0 (ICoBTA-IR4.0), Sarawak, Malaysia: Universiti Teknologi MARA Cawangan Sarawak, Dec. 2023. [Online]. Available: https://www.ind4-0-eu.my/ICOBTA-eproceeding.pdf
  • Raden Arief Setyawan, Rizal Setya Perdana, Made Wena Harilegawa, Alan Stevrie Balantimuhe, and Achmad Basuki. 2023. AVIG: A Real-Time Visual Inspection for Guava Grading System Using Computer Vision and XGBoost. In Proceedings of the 8th International Conference on Sustainable Information Engineering and Technology (SIET '23). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 5-15. https://doi.org/10.1145/3626641.3627211
  • W. Adam, M. Niswar and Zainal, "Chili Quality Classification using Convolution Neural Network," 2023 International Conference on Computer, Control, Informatics and its Applications (IC3INA), Bandung, Indonesia, 2023, pp. 336-340, doi: 10.1109/IC3INA60834.2023.10285773. Available: https://ieeexplore.ieee.org/document/10285773
  • Rasheed, H. A., Ikeda, R., Ferriyan, A., Weber, C., Fathi, M,. Okawa, K., & Thamrin, A. H. (2024). Problem-Based Learning-Path Recommendations Through Integrating Knowledge Graphs and Large Language Models. In Companion Proceedings of the 14th Learning Analytics and Knowledge Conference (LAK '24) (pp. 251-253).

  • 【主なイベント】
  • 第3回医療と健康のDXセミナー開催(2023.5):2021年から始めた医療と健康のDXセミナーの第三回目では100名近い参加者がある中、「医療と健康に貢献するデジタルデータ」をテーマに有識者、医療人、企業人による講演、ディスカッションが行われた。
  • 第13回国際サイバーセキュリティシンポジウム「多国間の産官学連携による国家安全保障、経済安全保障、社会保障」開催(2023.10):2日半にわたり政府、産業界、アカデミアによる国際的な多国間行動に向けた議論が行われた。
  • 「The En-ROADS Climate Workshop」開催(2024.1):マサチューセッツ工科大学システムダイナミクスグループ責任者John Sterman教授により、持続可能社会の構築について講演が行われ多くの学生・研究者が参加。本内容はKGRI Great Thinker Seriesにも掲載。

  • ■プロジェクト活動を通じて特に成果を挙げた事柄

    サイバーセキュリティに関しての共同研究としての個別テーマの成果に加えて、慶應義塾としてのサイバーセキュリティシンポジウムを開催することで、各国大使館をはじめとする国際協調と連携を実現することができた。
    コロナ時期に控えていた、アジア太平洋地域へのMoUをベースにした、人材育成、教育、 フィールドワークをほぼフル再開することができた。

    2022~2023年にかけて、3回に分けて開催されてきた医療DXをテーマにしたセミナーの内容を総括した書籍を出版したことで、医療・健康分野の第一線で活躍する各者の先端の知見を広域に共有することができ、DX、ロボティクス、AI、新しいデジタルデータを前提とした医療のあり方に向け、新たに取り組むべき標準化への挑戦、制度整備、産官学で取り組むべきことの示唆となる知見を後世に残る資料とすることができた。

    その他活動報告

    Working Papers:
    社会中心のサイバー紛争 東アジアにおけるその動向と可能性

    ニュース:
    <2022年度>
  • ARENA-PAC がAPOnetのメンバー組織と連携し、Asia Pacific 地域の中断のない接続性確保に貢献 (2022.07.08)
  • 慶應義塾大学砂原教授と語る、共同研究で目指す「サイバーインテリジェンス連動型セキュリティメトリクス管理」の意義 (2022.05.27)
  • PwCコンサルティング、「サイバーインテリジェンス連動型セキュリティメトリクス実現支援」サービスの提供開始 (2022.05.19)
  • <2021年度>
  • ARENA-PAC:グアム・シンガポール・コネクティビティ・コンソーシアムに参画し、アジア太平洋オセアニア地域のデータ集約型科学の支援を拡大 (2021.12.10)
  • PwCコンサルティングと「インテリジェンス連動型セキュリティメトリクス管理」に関する共同研究を開始 (2021.10.18)
  • 経済産業省CPSFに基づくDERシステムのセキュリティに関するCCRC技術参考報告書 (2021.10.07)
  • ARENA-PAC: アジア太平洋地域の研究教育活動支援のための連携強化 (2021.06.17)
  • 【動画】分散コンピューティングシステム(DCS)50周年 (2021.06.01)
  • サイバー文明研究センター3周年記念:共同センター長インタビュー (2021.05.10)
  • 寄附講座「プラットフォーム経済と持続可能社会」-CCRC内ワーキンググループ設置について (2021.04.13)



  • プロジェクトWebサイト:
    サイバー文明研究センター (CCRC)

    SDGs

    3. すべての人に健康と福祉を3. すべての人に健康と福祉を
    5. ジェンダー平等を実現しよう5. ジェンダー平等を実現しよう
    6. 安全な水とトイレを世界中に6. 安全な水とトイレを世界中に
    7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
    8. 働きがいも経済成長も8. 働きがいも経済成長も
    9. 産業と技術革新の基盤をつくろう9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
    10. 人や国の不平等をなくそう10. 人や国の不平等をなくそう
    11. 住み続けられるまちづくりを11. 住み続けられるまちづくりを
    12. つくる責任 つかう責任12. つくる責任 つかう責任
    16. 平和と公正をすべての人に16. 平和と公正をすべての人に
    17. パートナーシップで目標を達成しよう17. パートナーシップで目標を達成しよう

    外部顧問委員会

    プロジェクトメンバー

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印は研究代表者

    ◎ 村井 純 KGRI 特任教授 コンピュータコミュニケーション、オペレーティングシステム
    大川 恵子 KGRI 特任教授 デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築
    山本 龍彦 法務研究科/KGRI 教授/副所長 憲法
    ロドニー・バンミーター 環境情報学部 教授 量子計算、ムーアの法則後のコンピューター・アーキテクチャ、ディストリビュテド・マス・ストレージ・システム
    國領 二郎 慶應義塾大学/早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター研究院 名誉教授/教授 経営学、経営情報システム
    駒村 圭吾 法学部 教授 憲法、言論法
    砂原 秀樹 メディアデザイン研究科 教授 モバイル通信技術、センサネットワーク、知識情報構成技術
    手塚 悟 KGRI 特任教授 情報セキュリティ、電子認証、電子署名、電子政府システム
    矢作 尚久 政策・メディア研究科 教授 臨床情報学、医療提供戦略
    梅嶋 真樹 SFC研究所/国際電気標準会議(IEC) 上席所員/システム委員会スマートエネルギー開発計画担当コンビーナ 経営情報システム、インフラストラクチャ設計、総合政策学
    カタリナ・マラケ KGRI 特任准教授 知的財産法、オープン・イノベーション、法哲学
    佐野 仁美 KGRI 研究員 科学技術社会論
    藤田 卓仙 東京財団政策研究所 主席研究員 ヘルスケアデータ、医療政策
    伊藤 穰一 千葉工業大学 学長 デザインとサイエンス、コミニティーと社会変化、人工知能のガバナンス、イノベーションと機関研究デザイン
    クロサカ タツヤ 政策・メディア研究科 特任准教授 情報通信政策、人工知能政策、モバイル通信技術
    ティースマイヤ リン 環境情報学部 名誉教授 メコン河上流域の地域開発・農村開発
    龍治 玲奈 一般財団法人 社会変革推進財団 インパクト・オフィサー デジタルデバイド・インクルーシブ社会・コレクティブインパクト

    サブプロジェクトメンバー
    「サイバーセキュリティ研究センター」

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印はサブプロジェクト代表者

    ◎村井 純 KGRI 特任教授 コンピュータコミュニケーション、オペレーティングシステム
    砂原 秀樹 メディアデザイン研究科 教授 モバイル通信技術、センサネットワーク、知識情報構成技術
    植原 啓介 環境情報学部 教授 コンピュータネットワーク
    手塚 悟 KGRI 特任教授 情報セキュリティ、電子認証、電子署名、電子政府システム
    鈴木 茂哉 政策・メディア研究科 特任教授 情報通信、ブロックチェーン、データセキュリティ 、認証システム
    近藤 賢郎 KGRI/北海道大学情報基盤センター 特任助教/助教 サイバーセキュリティ、コンピュータネットワーク
    ルーク コリー KGRI 特任助教

    サブプロジェクトメンバー
    「アジア太平洋レジリエント社会」

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印はサブプロジェクト代表者

    ◎大川 恵子 KGRI 特任教授 デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築
    植原 啓介 環境情報学部 教授 コンピュータネットワーク
    タムリン アフマッド・フスニ 政策・メディア研究科 特任教授 通信工学
    工藤 紀篤 政策・メディア研究科 特任講師 デジタルメディア・イノベーション
    宮北 剛己 ミュージアム・コモンズ 専任講師 オンライン・ラーニング
    湧川 隆次 KGRI 特任教授 コンピューターコミュニケーション、モバイル通信
    明石 枝里子 KGRI 特任講師 協働学習、オープン・エデュケーション、デジタル・デバイド
    有馬 俊 KGRI 特任助教 オンライン学習デザイン、映像制作、リフレクションデザイン
    板垣 清子 KGRI 研究員 サービスデザイン
    ファティマ アッシルミア KGRI 特任助教 ラーニングデザイン、地域参加型デザイン、視覚的コミュニケーション&デジタルメディア
    ナヴァロ レアンドロ KGRI 特任助教 イマーシブメディア、フィールドワーク学習、ゲームベース学習

    サブプロジェクトメンバー
    「日ASEAN分散電源サイバーセキュリティプロジェクト」

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印はサブプロジェクト代表者

    ◎村井 純 KGRI 特任教授 コンピュータコミュニケーション, オペレーティングシステム
    大川 恵子 KGRI 特任教授 デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築
    梅嶋 真樹 SFC研究所/国際電気標準会議(IEC) 上席所員/システム委員会スマートエネルギー開発計画担当コンビーナ 経営情報システム、インフラストラクチャ設計、総合政策学

    サブプロジェクトメンバー
    「デジタルサイバー安全保障プロジェクト」

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印はサブプロジェクト代表者

    ◎村井 純 KGRI 特任教授 コンピュータコミュニケーション, オペレーティングシステム
    植原 啓介 環境情報学部 教授 コンピュータネットワーク
    近藤 賢郎 KGRI/北海道大学情報基盤センター 特任助教/助教 サイバーセキュリティ、コンピュータネットワーク
    ルーク コリー KGRI 特任助教
    手塚 悟 KGRI 特任教授 情報セキュリティ、電子認証、電子署名、電子政府システム

    サブプロジェクトメンバー
    「大規模広域分散環境の構築」

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印はサブプロジェクト代表者

    ◎村井 純 KGRI 特任教授 コンピュータコミュニケーション, オペレーティングシステム
    大川 恵子 KGRI 特任教授 デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築
    ロドニー バンミーター 環境情報学部 教授 量子計算、ムーアの法則後のコンピューター・アーキテクチャ、ディストリビュテド・マス・ストレージ・システム
    植原 啓介 環境情報学部 教授 コンピュータネットワーク
    砂原 秀樹 メディアデザイン研究科 教授 モバイル通信技術、センサネットワーク、知識情報構成技術
    鈴木 茂哉 政策・メディア研究科 特任教授 情報通信、ブロックチェーン、データセキュリティ 、認証システム

    サブプロジェクトメンバー
    「メディカルインクルージョン」

    プロジェクトメンバー・所員について

    ◎印はサブプロジェクト代表者

    ◎村井 純 KGRI 特任教授 コンピュータコミュニケーション, オペレーティングシステム
    黒川 清 日本医療政策機構 終身名誉チェアマン イノベーション政策、内科学、腎臓学、医療政策、科学政策
    松本 純夫 東京医療センター/厚生労働省 名誉院長/顧問 消化器外科
    佐野 仁美 KGRI 研究員 科学技術社会論
    中島 功 星槎大学 特任教授

    CCRCフェロー

    ダン・ギルモア アリゾナ州立大学/News Co/Lab 教授/共同創立者 メディア&テクノロジー、デジタル・メディア・リテラシー
    マイケル・ネルソン カーネギー国際平和財団 上席フェロー 次世代インターネットテクノロジー、情報技術政策、サイバーポリティクス
    トビアス・バーガーズ フルブライト大学ベトナム校 特任教授 サイバーセキュリティと国際政治、軍事用ロボット、フューチャーコンフリクト、国際安全保障関係
    ハラルド クマレ ドイツ日本研究所 主任研究員 科学史、科学技術社会論、デジタル・ヒューマニティーズ