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【開催報告】2040コミュニティイベント「透明人工皮膚デバイスに関する模擬市民会議」(2023.03.24開催)

2023.05.23

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慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)2040独立自尊プロジェクトは、2023年3月24日に、模擬市民会議「透明人工皮膚デバイスに関する模擬市民会議」を開催した。2040独立自尊プロジェクトが設立した、アカデミアと産業界、学生で構成するオープン・イノベーションコミュニティである「2040コミュニティ」のメンバーが本イベントに参加した。

当日は、透明人工皮膚デバイスの研究開発者であり、プロジェクトメンバーである東京大学生産技術研究所の松久直司准教授を迎え、サイエンスコミュニケーターの本田隆行氏によるファシリテートの下で議論をすすめた。

責任ある研究・イノベーション(RRI)や倫理的・法的・社会的課題(ELSI)を踏まえ、研究開発に市民が参加することを目指して実施した本イベント。参加したコミュニティメンバーは透明人工皮膚デバイスの社会実装に関してグループディスカッションを行った。

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20230324-pic2.jpg撮影:参加者

はじめに、KGRI特任教授の鳥谷真佐子氏と同特任准教授の河嶋春菜氏から本イベントの開催趣旨が説明され、本田氏から責任ある研究・イノベーションの重要性が紹介された。松久氏による人工皮膚デバイスの技術の応用可能性に関するプレゼンテーションを受けた後、実際にデバイスを体験するグループと、体験しないグループに分かれてディスカッションを行った。

午前の部では、各グループが「技術がもたらす幸せでポジティブな未来像」をテーマに意見を出し合った。グループ内で挙げられた意見への懸念点なども同時にディスカッション。ほかのグループで挙げられた意見へコメントする機会も設けられ、会場内の参加者全員が各グループのアイディアを共有した。意見交換では、人工皮膚デバイスを実際に体験したグループと体験していないグループで異なる懸念点が挙がるなど、背景の異なる人々が同時に議論する重要性が伺えた。

午後の部では、ディスカッションで挙がった懸念点への対応策や、「ポジティブな未来像」を実現するための新たな課題などについて、松久氏と環境倫理学を専攻する武蔵野大学講師の井上氏から、専門家視点のコメントをいただいた。民主主義に関するワークショップを開催するひらく研究所代表の斉藤亮太氏もコメント。参加者は各グループで挙げられた課題を乗り越えるためのアイディアや、課題解決のために連携が必要となる分野や産業などを思案し、市民会議の重要性を実感した。

次回の市民会議では「空飛ぶ車」をテーマに開催を予定している。

(所属・職位は実施当時のものです)。