イベント/創造/終了

【海外講演報告】3DプリントによるTokyo2020の表彰台制作と、新しい資源循環コンセプト「リープサイクル」についての講演(2021.11.16 TCT Conference in Formnext2021内で講演)

2021.12.07

2021年11月16日(火)に、ドイツ、フランクフルトで開催された世界最大級の3Dプリント関連技術展示会・講演会TCT conference at Formnext2021現地にて、湯浅亮平(政策メディア研究科特任助教、環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター)と江口壮哉(政策・メディア研究科 修士1年)によるオリンピック/パラリンピック表彰台の開発について、日本人としては初となる招待講演が行われました。コロナ禍におけるドイツ2Gルールと呼ばれる厳格なルールのもとで、本展示会・カンファレンス自体が2年ぶりのオフライン開催ということもあり、世界中から集まった講演者・参加者からは熱気のある意見交換が行われました。

講演では、史上初めて「市民から集めたリサイクル材料」で作られたオリンピック/パラリンピック表彰台の制作に関して、プロジェクトの鍵となった「材料の選別、改質」「設計データ作成」「3Dプリントによる7000枚のパーツ量産」について詳説がなされました。また、講演後半では、表彰台プロジェクトをきっかけに立ち上がった「環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター」の活動や、本センターの核となる新しい資源循環コンセプトである「リープサイクル」について触れ、2021年11月から始まった慶應大学・鎌倉市による「デジタル駆動 超資源循環参加型社会 共創拠点」(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)COI-NEXT採択事業)の目指す資源循環の未来像を提示し、講演を終えました。

「資源循環社会創造への取り組み」は展示会・カンファレンスを通じて柱となるテーマだったこともあり本講演の注目度は大きく、展示会・カンファレンス全体のアフターイベントであるFormnext Digital Days(2021年11/30-12/1 オンライン開催)にも湯浅特任助教が有識者パネリストとして招かれ、現地企業や大学とのディスカッションが行われました。

欧州でも製造分野における廃棄物問題に対する課題意識は強く、ますます重要度が増しています。コロナ禍での現地開催でしたが、対面での講演では日本発の資源循環への取り組みや「リープサイクル」というコンセプトに一定の反応を得ることができました。これをきっかけに、現地で知り合った企業・大学研究者らと国際的協力体制の構築の話も生まれ始めており、研究的にも・資源循環社会の共創にむけても価値のある機会となりました。


■TCT conference at Formnext 2021/11/16 講演
Making the Tokyo Olympic and Paralympic 3D Printing Podium - The process of 3D printing mass products from post consumer recycled materials

■Formnext Digital Days 2021/11/30 パネルディスカッション
How to get the benefits of AM for new plastic applications?


/images/Eventreport_TCT_20211203_1.jpg

/images/Eventreport_TCT_20211203_2.jpg