持続可能な空間設計のための心と体のウェルビーイング研究センター

 

センター概要

ウェルビーイングの定量的な評価手法が国際的にも確立されていないなか、満倉らは世界に先駆けて、感性アナライザーを用いてウェルビーイングに関連するストレスや感情などを定量的に評価する方法の開発に成功した。そこで本研究では、この感性アナライザーで把握できるホルモンの状態(ドパミン・セロトニン・オキシトシン)の状態によって心や体の状態を捉える方法に基づいて、ウェルビーイングを定量評価する手法の検証と応用に取り組む。特に、国の地方創生政策とも関係して、温泉地域などでの持続可能な 「まちづくり」に資するため、日本全国のテストサイトにリビングラボを設置し、古民家再生された家屋などを含む多様な空間(シェアオフィス、宿泊施設など)におけるウェルビーイング評価手法を開発する。さらに生成AIを活用する多面的ウェルビーイングの総合的評価に基づいて、持続可能な未来社会での空間設計研究に取り組む。

設置目的及び活動計画

■目的と背景

近年、心と体のウェルビーイングが注目されているが定量的な研究はほとんど行われていない。ウェルビーイングの関連要素が多くあり、多様な環境や人の主観の影響も大きいことから、計測に基づいた定量的な評価が難しいなか、満倉らはホルモン(セロトニン・ドパミン・オキシトシン)とウェルビーイングについての研究に取り組み、感性アナライザーによって計測される脳波・脈波を使ってホルモン値を推定する方法開発に成功し、ウェルビーイングを計測し定量的評価する道が開かれた。

■今回取り組む内容

そこで今回は、この計測による定量的評価手法をもちいて、実際に人が生活する多様な空間の環境条件のもとでのウェルビーイングを定量評価する応用研究を実施する。各種のウェアラブルセンサなどを用いた簡易計測も実施し、テストサイトのリビングラボにおける計測を実施し、持続可能な空間設計に資するウェルビーイング評価手法の開発に取り組む。

■本学で取り組む理由

申請者らは本学で開発された感性アナライザーを用いた予備実験を実施し、実際の生活の場での計測研究を行う準備をすすめてきた。新センターを立ち上げて、多様な空間での実験に地域関係者の協力を得て研究を推進する体制の構築が必要である。

■活動計画

フェーズ1:感性アナライザー、ウェアラブルセンサ、各種環境計測を組み合わせて実施し、多様な空間におけるの心と体の多様なウェルビーイング状態を推定する方法を開発する。
フェーズ2:得られたウェルビーイングの定量的評価結果を、生活・習慣などの調査やビックデータ分析などと組み合わせて統合的に統計分析し、さらに評価結果の可視化方法を開発する。
フェーズ3:これらのウェルビーイング評価手法を活用して実社会での多様な空間の持続可能性向上に寄与するため、生成AIを活用する空間設計手法を開発する。

SDGs

4. 質の高い教育をみんなに 4. 質の高い教育をみんなに
8. 働きがいも経済成長も 8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう 10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを 11. 住み続けられるまちづくりを
17. パートナーシップで目標を達成しよう 17. パートナーシップで目標を達成しよう

設置期間

2025/12/01~2028/03/31

メンバー

◎印は研究代表者

  
氏名 所属研究機関 職位 研究分野・関心領域
◎山形 与志樹 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 持続可能性・環境学
稲葉 俊郎 システムデザイン・マネジメント研究科 特任教授 地方創生・医学
岡 昇平 システムデザイン・マネジメント研究科 特任講師 まちづくり・建築学
加藤 利基 システムデザイン・マネジメント研究科 特任助教 オフィス設計・経営学
満倉 靖恵 理工学部 教授 脳波・脈波信号解析
川久保 俊 理工学部 准教授 サステナビリティデザイン
小川 愛実 理工学部 専任講師 スマートウェルネス住宅