先端数理科学研究センター

 

センター概要

目的:現代社会の営みは、数理科学の発展とその応用を抜きにして考えることはできない。数理科学は現代のさまざまな活動に使われて、その重要性は高まるばかりである(たとえば、セキュリティシステムを管理する暗号理論やビッグデータの解析など例をあげればきりがない)。また、その成果がさまざまな分野に応用されるだけでなく、数理科学的な考え方も多くの分野に取り入れられて、現代社会の発展の要となっている。そして、このこととも関連して、慶應義塾大学にはさまざまな学部に数理科学関係の教員が在籍している。慶應義塾に在籍する数理系の教員を結集して、数学固有の問題はもとより、さまざまな研究分野の間の横断研究を行うことおよび国際的活動を行うことが、このセンター設置の目的である。2017年まで活動していた統合数理科学研究センターによって築かれてきた研究活動の基礎に基づいて、これを進化・発展させ、さらなる先端的研究活動を行う。

設置目的及び活動計画

■設置目的

現代社会に不可欠な数理科学の発展と応用を成し遂げることがその基本的目的である。数理科学は、その成果がさまざまな分野に応用されるだけでなく、数理科学的な考え方も多くの分野に取り入れられて、現代社会の発展の要となっている。そして、このこととも関連して、慶應義塾大学にはさまざまな学部に数理科学関係の教員が在籍している。慶應義塾に在籍する数理系の教員を結集して、数学固有の問題はもとより、さまざまな研究分野の間の横断研究を行うことおよび国際的活動を行うことが、このセンター設置の目的である。2017年まで活動していた統合数理科学研究センターによって築かれてきた研究活動の基礎に基づいて、これを進化・発展させ、国際的活動を中心としたさらなる先端的研究活動を行う。

アメリカのボストン大学との連携で行ってきたBoston Keio summer schoolは中国の精華大学を加えて、Boston-Keio-Tsinghua summer workshopとなり、規模を拡大して、さらに活発な研究活動を展開している。毎年、幾何学、確率統計、力学系、整数論といった分野を決めて、その分野の日米中3か国の若手研究者が集う重要な研究集会となっている。イギリスで行われているUK-Japan winter schoolは、イギリスの諸大学と連携して20年近く行っている重要な研究活動であり、イギリスの数理科学界で広く知られるようになった事業である。2022年9月には、ロンドンの日本大使館において、20周年記念行事として、フィールズ賞受賞者や物理学者によるパブリックレクチャーが行われ、イギリスの日本大使も列席して、記念式典が行われた。慶應の先端数理科学研究センターを中心とした国際的研究活動は、このように着実に成果を上げ、アメリカ・イギリスの大学との連携は強化されている。また、2024年度からは、先端数理科学研究センター主催の談話会を行い、さまざまな学部に所属するセンター員が一堂に会して、今後の研究および活動について話し合う場を設けている。以上のように、このセンターの活動は活発に行われており、強化されている。

■活動計画

上記のように国際的な連携活動ならびに学部を越えた研究活動を行っている本センターの活動は、今後も積極的に進める必要がある。上述したアメリカのBoston大学で行われているBoston-Keio-Tsinghua workshopおよびイギリスで行われているUK-Japan winter schoolのように、欧米で広く知られるようになった本センターを中心とした活動があり、これらをさらに発展させることが必要であると考えている。慶應義塾内の数理科学研究の発展を目標として、学内での共同研究・若手研究者支援・国際共同研究・さまざまな異分野の連携についてのサポートを推進していきたい。また、大学院生や若手研究者に対して、国際的に活躍する場を数多く提供する。異なるキャンパスに所属する数理科学を専門とする教員を結びつけるための、センター主催の談話会・セミナーも定期的に行う。このことにより、慶應義塾内の数理科学研究者達・若手研究者達・大学院生達が気軽に集まれる場所を提供する。以上のような活動の継続によって、慶應義塾の数理科学研究をさらに発展させたいと考えている。


2024年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

国際的な連携活動についてまず述べると、アメリカのBoston大学において、定例のBoston-Keio-Tsinghua Summer Schoolが微分方程式・力学系・応用数学をテーマにして、2024年5月に行われた。メンバー以外にも、多くの大学院生を含む若手研究者が参加し、充実した研究集会が行われた。また、2024年7月に慶應義塾大学日吉キャンパスにおいて、Development of Iwasawa theoryと題する岩澤理論の国際研究集会が行われた。この分野を先導する研究者を世界から招聘し、全体として世界11か国から126名(海外からは31名)が参加するという、数学の一つの分野の研究集会としては大規模な集会となり、最先端の研究に関する発表ならびに活発な議論が行われた。研究集会に先立って、若手研究者によるセミナーも行われた。
2024年12月には慶應義塾大学日吉キャンパスにおいて、先端数理科学研究センター談話会が行われ、本センターのメンバーほぼ全員(文系学部に属するメンバーもこめて)が参加した。メンバーの相互理解、共同研究の発展、本センターの発展に寄与するところがきわめて大きなイベントとなった。以上のように、慶應の先端数理科学研究センターを中心にした国際的研究活動は、着実に進んでいる。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

研究論文(学術雑誌、33件)

  • D. Burns, M. Kurihara, T. Sano, On derivatives of Kato's Euler system for elliptic curves, Journal of the Mathematical Society of Japan 76-3 (2024), 855 - 919, 国際共著, 査読有り
  • S. Esaki, H. Tanemura, Stochastic differential equations for infinite particle systems of jump type with long range interactions, Journal of the Mathematical Society of Japan 76-1 (2024), 283 - 336, 共著, 査読有り
  • K. Murota, A. Tamura, Note on Minkowski Summation and Unimodularity in Discrete Convex Analysis, Journal of the Operations Research Society of Japan, 67-4 (2024), 126 - 134, 共著, 査読有り

他30件

学会発表件数(17件)

  • Masato Kurihara, T-unsmoothed Iwasawa modules, Development of Iwasawa theory(国際学会), 2024年07月
  • Mihoko Minami, Model for Bycatch and Clustering Method for Distributions, International Day of Women in Statistics and Data Science, 招待講演, CAUCUS for women in Statistics and Data Science(国際学会), 2024年10月

他15件

主なイベント

  • Boston-Keio-Tsinghua Summer School, 2024年5月28日~5月31日, Boston University (国際学会)
  • Development of Iwasawa theory, 2024年7月22日~7月26日, 慶應義塾大学日吉キャンパス(国際学会)
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

数学および数理科学の研究において、国際的な活動を推進して、着実に成果を上げることができた。特に、Boston-Keio-Tsinghua Summer School を盛大に開催できたことは大きな成果であった。また、談話会を始めとした活動を通じて、本センターのメンバー間の相互理解と共同研究のための体制を築くことができた。

2023年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

2023年度は、国際的な連携活動について、本来の形に戻りつつある年となった。2022年度までは、コロナ禍で中止になったりオンライン開催になったりする事業がほとんどであったが、2023年度は、かなりの事業を対面開催で行うことができた。Boston Keio summer schoolは中国の精華大学を加えて、Boston-Keio-Tsinghua summer school として2023年6月にアメリカ合衆国の Boston 大学において対面で行われた。2023年度は統計学に関して、特に Bayesian inference, Nonparametric inference, 数理ファイナンス、ネットワーク・グラフ解析、生物学および気候科学への統計学の応用をテーマとして行われた。慶應義塾大学から、統計学分野を中心として多くの教員・学生が参加して、研究成果を発表し、充実した研究集会となった。コロナ前と比べて、航空券及び宿泊費がきわめて高価になったため、費用は想定よりかなり多くかかったが、貴重な国際交流の場を持つことができた。
本センターが後援する Pan Asian Number Theory Conference は2023年8月に中国のハルピンで行われた。中国の外からの参加者は少なく、日本からの参加者も少なかったが、日本から参加した講演者にとっては貴重な体験となった。それ以外の国際研究集会も行われ、本センターを中心とした国際研究活動は着実に進んでいる。ただ、コロナ前と比べて、外国からの訪問者はまだかなり少ない状態である。この点に関しては、来年度に向けての準備活動を行った。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

論文(15件)

  • Decomposition of an integrally convex set into a Minkowski sum of bounded and conic integrally convex sets, Kazuo Murota and Akihisa Tamura,Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics 40 (2023), no. 3, 1445-1499 ISSN 09167005, 査読あり
  • Hausdorff dimension of sets with restricted, slowly growing partial quotients, Hiroki Takahasi, Proc. Amer. Math. Soc. 151 (2023), no. 9, 3645-3653, 査読あり

他13件

学会発表(9件)

  • Euler and Kolyvagin systems of Gauss sum type, Masato Kurihara, Arithmetic of L-functions (Instituto de Ciencias Matematicas (Madrid)) , 2023年5月25日, 招待講演
  • Harmonic maps and random walks on countable groups, Hiroyasu Izeki, Geometry beyond Riemann: Curvature and Rigidity, 2023年10月、招待講演

他7件

主なイベント

  • Boston-Keio-Tsinghua summer school, 2023年6月26日~30日
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

数学および数理科学の研究において、国際的な共同研究を推進して、着実に成果を上げることができた。特筆すべきこととしては、Boston Keio Tsinghua summer workshop を4年ぶりに対面で成功させたことである。慶應から若手研究者や学生が多数参加して、充実した研究集会となった。

2022年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

国際的な連携活動については、コロナ禍により停滞せざるを得ない状況が少しずつ改善され、2022年度はオンライン開催を含めると、かなりの事業を行うことができた。特にイギリスで行われているUK-Japan winter schoolは、当センター及びその前身のセンターが主催となって20年以上続けている重要な事業であるが、2022年度には幾何・確率・力学系を中心として、特別プログラムを組み、イギリスWarwick大学において行われた。これに加え、ロンドンの日本大使館において、大規模な記念行事を行った。20周年記念行事として、フィールズ賞受賞者や物理学者によるパブリックレクチャーが行われ、イギリスの日本大使も列席して、記念式典が行われた。
次に、アメリカのボストン大学との連携で行われているBoston-Keio summer workshopも10年以上継続してきている重要な催しである。2022年度は慶應義塾大学、アメリカのBoston大学に加え中国の精華大学もメンバーに入り、幾何学をテーマとして、Boston-Keio-Tsinghua summer school をハイブリッド形式で行われた。イギリスのKing's College Londonとのゼータ関数の値についての共同研究など、これ以外の国際連携も進められており、慶應の先端数理科学研究センターを中心にした国際的研究活動は、着実に進んでいる。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

論文(20件)

  1. Algebraic independence of the values of power series and their derivatives generated by linear recurrences, Haruki Ide, Taka-aki Tanaka, and Kento Toyama, Tokyo J. Math Vol. 45, 519 - 545 (2022)、 査読有り
  2. Infinite-dimensional stochastic differential equations and tail σ-fields II: the IFC condition, Y. Kawamoto, H. Osada, H. Tanemura, Journal of the Mathematical Society of Japan Vol. 74. 79 - 128 (2022)、 査読あり
  3. 他18件

学会発表(11件)

  1. Data analysis focusing on geodesic distance and curvature, Kei Kobayashi, Algebraic Statistics 2022 (University of Hawaii at Monoi)、2022年05月、基調講演
  2. Topological groupoids and C*-algebras, Takeshi Katsura, Boston-Keio-Tsinghua summer school、2022年6月27日、基調講演
  3. 他9件

主なイベント

  1. 2022年9月16日にLondonの日本大使館においてFields賞受賞者などによるPublic Lectures - Celebration for the 20th UK-Japan winter school-が行われた(本センターが主催団体の一つとして開催)
  2. UK Japan winter school, University of Warwick、2022年9月12日~16日
  3. Boston-Keio-Tsinghua summer school、2022年6月27日~7月1日

■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

数学および数理科学の研究において、国際的な共同研究を推進して、着実に成果を上げることができた。記念すべきこととしては、英国Londonの日本大使館で20周年の記念式典及びPublic Lecturesが行われた。これは、UK-Japan winter schoolの20周年を祝うとても良い催しとなった。

2021年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

アメリカのBoston大学と慶應義塾大学先端数理科学研究センターとの間で行われているBoston-Keio summer workshopは今まで10年以上継続してきている重要な催しである。昨年度は新型コロナウイルスの蔓延によって延期になったが、今年度は形式を一新してオンラインで開催された。Boston大学と慶應義塾大学に中国の清華大学を加えて、BU-Keio-Tsinghua Workshop として2021年6月27日から7月1日まで行われた。また、イギリスの諸大学と連携して行っていたUK Japan winter schoolについては、20周年の催しを開催する予定であったが、残念ながらイギリスにおける新型コロナウイルスの蔓延がひどく、再度延期せざるを得なかった。しかしながら、来年度に延期した記念研究集会に関して、先端数理科学研究センターを中心とした資金を獲得にも成功し、幾何・確率・力学系を中心とした特別プログラムの集会を開く予定である。以上のように、アメリカのBoston大学、イギリスのWarwick大学との連携は強化された。また、アジア出身の最先端の数論学者を集めたPan Asian Number Theory Conferenceを2021年12月にオンラインで開催した。イギリスのKing's College Londonとの数論についての共同研究も進んだ。以上のように、国際連携という点および国際的な共同研究という点では着実に成果を上げることができた。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

論文(23件)

  1. M. Kurihara, Notes on the dual of the ideal class groups of CM-fields, Journal de Théorie des Nombres de Bordeaux 33 (2021), 971 - 996, 査読有り
  2. A. Tamura and K. Tsurumi, Directed discrete midpoint convexity, Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics 38 (2021), 1 - 37, 査読有り
  3. T. Iguchi and D. Lannes, Hyperbolic free boundary problems and applications to wave-structure interactions, Indiana University Mathematics Journal 70 (2021), 353 - 464, 査読有り
  4. 他20件

学会発表(6件)

  1. Masato Kurihara, Some analytic quantities in the arithmetic of elliptic curves, The 9th East Asia Number Theory Conference, 2021年8月23日
  2. 他5件
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

数学および数理科学の研究において、国際的な共同研究を推進して、着実に成果を上げることができた。また、若手研究者の育成に関しても、国際的なオンラインセミナーを通じて、着実に前進し、国際的な人材の育成という観点で成果を上げることができた。

2020年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

アメリカのBoston大学と慶應義塾大学先端数理科学研究センターとの間で行われているBoston-Keio summer workshopは今まで10年以上継続してきている重要な催しであり、本年度も計画されていたのだが、大変残念なことにCOVID-19の蔓延によって、サマースクールを開催することは不可能となり、計画は次年度に延期されることになった。また、イギリスの諸大学と連携して行っていたUK Japan winter schoolについては、今年度は20周年ということもあり、先端数理科学研究センターを中心にして資金を獲得し規模を大きくして、幾何・確率・力学系を中心として、Warwick大学において特別プログラムGeometry, Stochastics & Dynamics -Celebrating 20 years of UK-Japan Winter Schools UK Japan を開催の予定であったものの、5月に企画していたこの研究集会も延期せざるを得なかった。以上のように、今年度は多くの主要な計画が延期となり、十分な成果をあげることができなかった。しかしながら、今後の計画を立てる中で、アメリカのBoston大学、イギリスのWarwick大学との連携は強化された。また、イギリスのKing's College Londonとの数論についての共同研究などが進み、国際連携という点および国際的な共同研究という点では着実に成果を上げることができた。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

論文(29件)

  • David Burns, Masato Kurihara and Takamichi Sano, On Stark elements of arbitrary weight and their p-adic families, Development of Iwasawa Theory -- the Centennial of K. Iwasawa's Birth, Advanced Studies in Pure Mathematics 86 (2020), 113 - 140, 査読有り
  • Yong Moo Chung and Hiroki Takahasi, Large deviation principle for S-unimodal maps with flat critical points, Journal of the Mathematical Society of Japan (2021), 査読有り
  • Naonori Kakimura, Naoyuki Kamiyama and Kenjiro Takazawa, The b-branching problem in digraphs, Discret. Appl. Math. (2020), 283 565 - 576, 査読有り
  • Kenichi Bannai, Kei Hagihara, Shinichi Kobayashi, Kazuki Yamada, Shuji Yamamoto, and Seidai Yasuda, Category of mixed plectic Hodge structures, Asian J. Math. (2020) 24-1, 31 - 76, 査読有り
    他25件
学会発表(9件)
  • Masato Kurihara, Survey on the Brumer-Stark conjecture and the proof by Dasgupta and Kakde, 代数的整数論とその周辺, 2020年12月3日
  • 他8件

■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

例年行っている大規模な企画を行うことはできなかったが、数学および数理科学の研究において、国際的な共同研究を推進して、着実に成果を上げることができた。また、若手研究者の育成に関しても、国際的なオンラインセミナーを通じて、着実に前進し、国際的な人材の育成という観点で成果を上げることができた。

2019年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

今まで10年以上継続してきているアメリカのBoston大学と慶應義塾大学との間で行われているBoston-Keio summer workshopを本年度は整数論をテーマにして行った。Boston大学と慶應義塾大学の整数論専攻の教員はお互いを大変よく知り合っており、連携の成果が大きく実っている分野である。今年度は、整数論の多様なテーマを題材として、若手研究者及び学生を中心としたサマースクールを開催した。そして日米の若手研究者の連携をさらに深めることに成功した。
今まで毎年継続して行われてきたUK Japan winter schoolは例年1月に行われてきたが、今年度は20周年ということもあり、winter schoolではなく、規模を大きくして、5月に幾何・確率・力学系を中心として、Warwick大学において特別プログラムGeometry, Stochastics & Dynamics -Celebrating 20 years of UK-Japan Winter Schools UK Japan として行われることになった。したがって、例年と異なり1月のschoolは行われていないが、先端数理科学研究センターを中心にして資金を獲得することに成功し、会場・講演者が決定し、活発な準備が行われている。
また、AIの研究を始めとして、さまざまな横断研究もおこなわれており、先端数理科学研究センターの事業は順調に進められている。

公刊論文、学会発表、イベントなど社会貢献の実績

論文:38件

  • Large deviation principle in one-dimensional dynamics, Yong Moo Chung, Juan Rivera-Letelier, Hiroki Takahasi, Invent. Math. 218, 853-888 (2019).
  • Motion of a vortex filament in an external flow, Aiki M. and Iguchi T., Nonlinearity, 32(7), 2413-2425 (2019).
  • Integrality of subgradients and biconjugates of integrally convex functions, Murota, K. and Tamura, A., Optimization Letters 14, 195-208 (2020).

ほか35件

学会発表:13件

  • Masato Kurihara, Several regulators and a new conjecture on Kato's zeta elements for elliptic curves, International conference "Regulators in Niseko 2019", Niseko, Japan 2019年9月9日
  • Tatsuo Iguchi, A mathematical analysis of the Isobe-Kakinuma model for water waves, Oberwolfach Workshop: Mathematical Theory of Water Waves (Mathematisches Forschungsinstitut Oberwolfach, Germany), 2019年7月
  • 田村明久, 離散中点凸性とその変種, 離散凸解析と最適化 (京都大学) , 2019年11月, 数理解析研究所

ほか10件

センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

Boston Keio summer school などの国際研究集会及びworkshopを行い、学生や若手研究者に国際的な経験を積ませたことが大きな成果であると考えている。

SDGs

4. 質の高い教育をみんなに 4. 質の高い教育をみんなに
17. パートナーシップで目標を達成しよう 17. パートナーシップで目標を達成しよう

設置期間

2023年4月1日~2028年3月31日

メンバー

◎印は研究代表者

氏名 所属研究機関 職位 研究分野・関心領域
◎ 井関 裕靖 理工学部 数理科学科 教授 幾何学
栗原 将人 理工学部 数理科学科 教授 代数学
厚地 淳 理工学部 数理科学科 教授 解析学
井口 達雄 理工学部 数理科学科 教授 解析学
生駒 典久 理工学部 数理科学科 准教授 解析学
太田 克弘 理工学部 数理科学科 教授 応用数学
小田 芳彰 理工学部 数理科学科 准教授 応用数学
垣村 尚徳 理工学部 数理科学科 教授 応用数学
勝良 健史 理工学部 数理科学科 教授 幾何学、解析学
亀谷 幸生 理工学部 数理科学科 准教授 幾何学
小林 景 理工学部 数理科学科 教授 解析学
坂川 博宣 理工学部 数理科学科 教授 解析学
白石 博 理工学部 数理科学科 教授 統計学
曽我 幸平 理工学部 数理科学科 准教授 解析学
高橋 博樹 理工学部 数理科学科 教授 解析学
高山 正宏 理工学部 数理科学科 専任講師 解析学
田中 孝明 理工学部 数理科学科 教授 代数学
田村 明久 理工学部 数理科学科 教授 応用数学
服部 広大 理工学部 数理科学科 准教授 幾何学
林 賢一 理工学部 数理科学科 准教授 統計学
早野 健太 理工学部 数理科学科 准教授 幾何学
坂内 健一 理工学部 数理科学科 教授 代数学
宮崎 琢也 理工学部 数理科学科 准教授 代数学
池田 薫 経済学部 教授 数理物理学
新井 拓児 経済学部 教授 応用数学
石川 昌治 経済学部 教授 幾何学
河備 浩司 経済学部 教授 解析学
宮崎 直哉 経済学部 教授 幾何学、解析学
森藤 孝之 経済学部 教授 幾何学
藤沢 潤 商学部 教授 応用数学
安田 公美 商学部 教授 解析学
鈴木 由紀 医学部 准教授 解析学
津嶋 貴弘 医学部 教授 代数学、数論幾何
熱田 真大 KGRI 共同研究員 整数論、岩澤理論、イデアル類群
時尾 響 KGRI 共同研究員 代数的整数論、岩澤理論、グラフ理論、自然言語処理
山田 一紀 KGRI 共同研究員 数論幾何学、p進コホモロジー、ポリログ