未来共生デザインセンター

 

センター概要

本センターは多様な他者(マイノリティー、動物、AIなどの非生物)との未来共生の実現のために、人文・社会科学的英知を結集し、人間のこころについてのミクロ、マクロの多層的な基礎研究に基づいた研究を行う。さらに、それらの社会拡張へ向けた価値を創生し実装へつなげることを目指す。

設置目的及び活動計画

AIをはじめとする情報科学技術や脳科学を含む生命科学の進歩が著しい一方で、その技術や知見は人間の安全やウェルビーイングの視点では、必ずしも効果的に活用されているとは言い難い。そもそも科学技術の人間、社会への応用について倫理的妥当性、社会的影響性の検討さえも充分ではない。実際に、そのような加速的な変化に伴って、生活環境も急激に変化し、社会と個のつながりを変え、人々の分断や孤独の遠因となった。それらに「こころ」が追いつけず、自らを失ったり、精神を病むケースも増加している。このような状況下でこそ幅広い人文・社会科学の知恵とイニシアティブが重要となり、人文・社会科学は領域内の基礎研究に留まらず、豊かな人間と社会の未来共生のために研究に新しい価値を見出し、分野融合的な創造が求められる。
本センターは多様な他者(マイノリティー、動物、AIなどの非生物)との未来共生の実現のために、人文・社会科学的英知を結集し、人間のこころについてのミクロ、マクロの多層的な基礎研究を行うことで、それらの社会拡張へ向けた価値を創生し実装へつなげることを目指す。このために次の3つのクラスターが分野融合的に未来共生デザイン研究を推進する。

  1. 人間知性クラスター:人間のこころについて知性や感情を対象として、そのメカニズムや機能に関する哲学、論理学、倫理学、教育学、心理学研究を行う。これを通じてミクロなレベルから人間知性と感性の解明を目指す。
  2. 環境適応性クラスター:多様な個人(年齢・性・特性・文化)、動物、あるいはAIなどの非生物による集団を対象とし、個体間や個と環境の相互作用の動作原理とそれによる個体の変容に関する人類学、進化学、心理学研究を行う。これにより、マクロなレベルから環境適応の産物としての人間のこころの解明を目指す。
  3. 価値創造性クラスター:人文・社会科学が蓄積してきた人間社会における貧困や病理など諸問題、文化・芸術などの創造的活動を対象に、フィールドワークや実証研究を行うことで、人間社会が作り出してきた創造的価値に関する研究を行う。同時に、共生社会におけるウェルビーイングや感性の多様性の実現を目指し、理論・実証・社会実装を一体化させた展開を試みる。
■活動内容
  • 各メンバーの研究プロジェクトに基づくシンポジウム、講演会等の開催。特に異なる領域の研究者が合同開催を行うことで学際的研究を促進させる。
  • 未来共生デザインセンターとして国際共同研究を展開する(社研、文研との連携で海外副指導教授なども活用し国際共著論文を出版)
  • 年度ごとに研究成果報告会を行う。

SDGs

1. 貧困をなくそう 1. 貧困をなくそう
3. すべての人に健康と福祉を 3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに 4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう 5. ジェンダー平等を実現しよう
10. 人や国の不平等をなくそう 10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを 11. 住み続けられるまちづくりを
16. 平和と公正をすべての人に 16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう 17. パートナーシップで目標を達成しよう

設置期間

2024/04/01~2027/03/31

メンバー

◎印は研究代表者

氏名 所属研究機関 職位 研究分野・関心領域
◎ 皆川 泰代 文学部 教授 認知神経科学、 発達心理学、 心理言語学
梅田 聡 文学部 教授 認知心理学、神経心理学、認知神経科学
峯島 宏次 文学部 准教授 言語哲学、 論理学、 意味論・語用論、 計算言語学
平石 界 文学部 教授 社会心理学
川畑 秀明 文学部 教授 感性科学、認知神経科学、実験心理学
山口 徹 文学部 教授 ジオ考古学、歴史人類学
河野 礼子 文学部 教授 自然人類学
藤澤 啓子 文学部 教授 発達心理学
後藤 文子 文学部 教授 美術史学
加藤 健郎 理工学部 准教授 デザイン科学、感性工学、人間工学設計
北中 淳子 文学部 教授 医療人類学
三木 則尚 理工学部 教授 医療工学、人間工学、マイクロナノ工学
杉本 俊介 商学部 准教授 倫理学、 ビジネス倫理、 医学の哲学
柏端 達也 文学部 教授 行為論、現代形而上学
板口 典弘 文学部 准教授 認知神経心理学、計算論的運動制御
北 洋輔 文学部 准教授 臨床発達心理学、障害科学、認知神経科学
寺澤 悠理 文学部 准教授 基盤・社会脳科学、実験心理学
秋吉 亮太 KGRI 特任助教 数学・論理学の哲学、数理論理学(証明論)、理論計算機科学(タイプ理論)、ロボット倫理、スマートシティ
品川 和志 KGRI 特任助教 マインドワンダリング、注意、脳波、fMRI
徐 鳴鏑 KGRI 特任助教 認知神経科学 実験心理学 発達心理学 心理言語学
白野 陽子 KGRI 特任助教 発達心理学
秦 政寛 KGRI 特任助教 言語の認知科学
星野 英一 KGRI 特任助教 視覚記憶・認知機能に関わる脳機能
森本 智志 KGRI 特任助教 計算論的神経科学、音楽認知科学、データ駆動型科学
天本 貴之 KGRI 研究員 言語哲学、形式意味論、語用論
小関 健太郎 KGRI 研究員 形而上学、論理学、オーストリア哲学
狩野 祐人 KGRI 研究員 医療人類学、自閉スペクトラム症
小林 尚矢 KGRI 研究員 比較教育学、アメリカ高等教育史
白川 由佳 KGRI 研究員 神経科学、神経発達症
周 一禎 KGRI 研究員 多感覚知覚、心理物理学
田仲 祐登 KGRI 研究員 生理心理学・認知神経科学・感情・内受容感覚
辻 幸樹 KGRI 研究員 認知心理学・生理心理学・認知神経科学
船蔵 颯 KGRI 研究員 計算言語学
田中 大海 (2024/8/1-) KGRI 研究員 論理学
安藤 広道 (2024/10/1-) 文学部 教授 考古学、公共考古学
眞島 裕樹 (2024/10/1-) 医学部 助教 精神医学、身体症状症、慢性疼痛、森田療法
青田 伊莉安 KGRI 共同研究員 動物心理学、行動神経内分泌学
安藤 寿康 KGRI 共同研究員 教育心理学、行動遺伝学、進化教育学
朝比奈 正人 KGRI 共同研究員 神経内科学、神経科学、自律神経学
池田 功毅 KGRI 共同研究員 心理学の再現性、深層学習と心理学
井出野 尚 KGRI 共同研究員 社会心理学、消費者行動、行動意思決定論
大前 美由希 KGRI 共同研究員 20世紀アメリカ美術、現代彫刻
岡田 光弘 KGRI 共同研究員 論理学・哲学・論理思考研究・論理推論の認知科学と心理学・情報科学及び計算機科学の論理、アルゴリズム環境の倫理
小野 智恵 KGRI 共同研究員 美学、映画学
窪田 愛 KGRI 共同研究員 形式意味論、日本語
小泉 篤士 KGRI 共同研究員 古代ギリシャ・ローマ美術史
佐藤 広大 KGRI 共同研究員 行為の哲学
佐藤 有理 KGRI 共同研究員 哲学、論理学、認知科学、思考、推論、意味、画像、機械学習
佐野 貴紀 KGRI 共同研究員 顔魅力、深層学習、機械学習、心理学
柴田 みどり KGRI 共同研究員 認知神経科学、語用論
鈴木 彩香 KGRI 共同研究員 日本語文法、統語論、意味論、テンス、アスペクト
高取 正大 KGRI 共同研究員 分析形而上学、メタ形而上学
高橋 優太 KGRI 共同研究員 論理学の哲学、論理学、人工知能
高谷 遼平 KGRI 共同研究員 言語哲学、分析哲学、意味論、語用論
津田 裕之 KGRI 共同研究員 認知心理学
時田 真美乃 KGRI 共同研究員 認知科学、進化心理学、心の理論、再帰的思考、協調学習
野地 洋介 KGRI 共同研究員 医療人類学
鴻 浩介 KGRI 共同研究員 行為の哲学、倫理学、メタ倫理学
日野 映 KGRI 共同研究員 臨床心理学、クイアスタディーズ、カルチュラルスタディーズ
福田 恭子 KGRI 共同研究員 美術史、風景画、ニコラ・プッサン
星 聖子 KGRI 共同研究員 西洋美術史、イタリア・ルネサンス、ヴェネツィア・ルネサンス、祭壇画研究
三好 香次 KGRI 共同研究員 ダンスアートにおける美的評価の普遍性と多様性
森井 真広 KGRI 共同研究員 実験心理学、意思決定、眼球運動
山根 千明 KGRI 共同研究員 20世紀西洋美術(ドイツ)、美術と知覚理論、色彩論史
横路 佳幸 KGRI 共同研究員 人や同一性をめぐる形而上学・言語哲学・認識論・倫理学
バリー・ロレット KGRI 共同研究員 考古学、文化人類学、環境科学、太平洋島嶼研究、ポリネシア研究、南東中国研究
品川 和志 (2024/10/1-) KGRI 共同研究員 マインドワンダリング,注意,脳波,fMRI
臺 浩亮 (2024/10/1-) KGRI 共同研究員 歴史人類学、博物館人類学、収集の歴史
高萩 智也 (2024/12/14-) KGRI 共同研究員 哲学・倫理学、近世哲学、デイヴィッド・ヒューム、信頼、証言