量子インターネット連携センター(SU)
センター概要
量子情報の汎用通信網である量子インターネットの実現を目指す。基礎研究に加え、テストベッド環境を整備してプロトタイプの研究開発に取り組み、また、ELSIやエコシステム構築等、量子インターネット技術による未来社会の創造に資する多様な研究・活動に取り組む。テストベッド環境はまず矢上キャンパスに整備し、広げていく。産学官での連携を組織する体制として、SFC研究所のSFCコンソーシアムに設置してある量子インターネットタスクフォースを用いる。
2022年度事業計画
■2022年度の新規活動目標と内容、実施の背景量子インターネットの実現には、物理や工学・情報に跨る多様な専門性を持つ研究者が、協力して研究開発に取り組んでいく必要がある。また、量子前提社会という新しい情報通信技術パラダイムへ問題なく移行するために、量子情報技術のインパクトに関する分析や量子インターネットが社会実装された未来像の社会的な醸成など、多様な研究・活動に取り組んでいく必要もあろう。
上記の活動に慶應義塾として積極的に取り組んでいくために、本センターを立ち上げる。また、SFC研究所のSFCコンソーシアムに設置してある量子インターネットタスクフォースにおいて既に協力関係にある産・学・官の組織との連携を強める。さらに、新規の協力組織・研究資金の参集を働きかけていく。
量子インターネットを実装するためには、量子通信のリンクレイヤーやネットワークレイヤーにおける各プロトコルの厳密な実装や、量子socket といった、量子コンピュータネットワークを構成するプロトコルスタックやインタフェースの実装が必要である。また、そのようなプロトコルスタックを動作させる量子ハードウェア並びにその制御システムが必要である。本センターでは、上述の通り、量子インターネットの要素技術等に取り組む他組織と産・学・官で連携し、そのようなプロトコルスタックや、量子ハードウェア、制御システム等の研究開発に取り組み、量子インターネットのプロトタイプを実装する。また、量子インターネットの社会実装や、インターネットと量子インターネットが連携して人類社会を発展させる未来像の創造に資する多様な研究に取り組む。成果として、論文・インタフェース等の仕様・技術・人材・未来像・ロードマップ等を発表・創出・排出する。
活動計画
・量子インターネットの構成要素を洗い出し、現状の構成部品におけるパフォーマンスの予測値の算出ならびに計画の厳密化を行う。
・量子光による物理層の作成、並びに、制御システムの研究開発に取り組む。
・テストベッドにおいて、量子リンクを動作させる。
・テストベッドにおいて、ルーティング等を含め、統合的な量子コンピュータネットワークシステムとして動作させる。
・量子インターネットのプロトタイプとして、ウェブアクセス可能とし、公開する。
SDGs

設置期間
2022/05/07~2024/03/31メンバー
◎印は研究代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
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◎ ロドニー バンミーター | 環境情報学部 | 教授 | 量子計算、ムーアの法則後のコンピューター・アーキテクチャ、ディストリビュテド・マス・ストレージ・システム |
武岡 正裕 | 理工学部 | 教授 | 量子通信理論・量子光 |
永山 翔太 | 政策・メディア研究科 | 特任准教授 | 量子インターネット全般 |
楠本 博之 | 環境情報学部 | 教授 | コンピュータネットワーク |
鈴木 茂哉 | 政策・メディア研究科 | 特任教授 | ソフトウェア、通信工学、情報学基礎論 |
佐藤 貴彦 | 理工学研究科 | 特任講師 | 量子コンピュータアーキテクチャ、量子ネットワークアーキテクチャ |
ミカル ハイドゥシェク | 政策・メディア研究科 | 特任講師 | 量子力学 |
村井 純 | 慶應義塾大学 | 教授 | 情報ネットワーク、マルチメディア・データベース、情報セキュリティ |