Challenge Grant: 疾患別温度応答機構の解明による細胞選択的凍結治療法の開発

横断

研究概要

CG_Ishii

本研究では、温度によって細胞種ごとの反応性が異なる点に着目し、温度制御による新しい細胞選択的治療法の確立を目指します。薬剤や手術に代わる"第三の治療軸"として、より整容性に優れた低侵襲医療の実現を目指しています。さらに、本研究成果は皮膚疾患やがん治療のみならず、再生医療や宇宙医学などへの応用も期待されます。

2025年度事業計画

■2025年度の新規活動目標と内容、実施の背景

2025年度の新規活動では、細胞選択的凍結治療の理論的基盤構築を目指し、細胞種ごとの温度感受性に関する基礎データの収集と解析を行う。2025年度は治療法が確立されていない先天性巨大色素性母斑(GCMN)を対象とし、細胞選択的凍結治療を可能とする条件検討や選択的な細胞死誘導に至るメカニズム解析を行う。特にミトコンドリアの低温応答性に着目し、病変細胞と正常細胞のミトコンドリア膜電位や形態変化の違いを比較しながら、細胞死の選択制を決定づけるメカニズムの解明を目指す。東京大学や高知大学との連携により、冷却時のミトコンドリア変化をリアルタイムで観察する実験系の構築を試みる。
本研究は、従来「補助的手段」として用いられてきた温度を、「細胞を選び、治療する」新たな治療刺激として再定義しようとするものである。GCMNのような整容的負担の大きい疾患に対して、非薬物・非外科的な治療の新たな選択肢を提示することを目指すと同時に、他の疾患や応用分野への展開に向けた基盤づくりとして、重要な意味を持つ年度となる。


SDGs

3. すべての人に健康と福祉を3. すべての人に健康と福祉を
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう9. 産業と技術革新の基盤をつくろう

プロジェクトメンバー

プロジェクトメンバー・所員について

◎印は研究代表者

氏名 所属研究機関 職位 研究分野・関心領域
◎ 石井 龍之 医学部 助教 形成外科学
平林 祐介 東京大学大学院 准教授 神経細胞生物学
仁子 陽輔 高知大学 准教授 有機化学・光化学
コンラッド クレシュチンスキ ミュンスター大学 主任研究員 空間情報科学、経済地理、都市地域政策
貴志 和生 医学部 教授 形成外科学