KGRI Challenge Grant: 生物学の事象を解明する数理アプローチの開発
創造
研究概要

イメージング技術・シングルセル解析を始めとした科学技術の発達により様々な生命現象を高速・高解像度で捉えることが可能になっている。これまでは生命現象を単純化した数式に変換し解析を行なってきたが、OISTとの連携により複雑化した生命現象を新たな観点から数式化を試みます。さらにこれらの生命現象から得られた数式と様々な社会問題を数式化し共通点・非共通点を解明することで新たな社会問題解決の糸口を探るプラットフォームを構築します。
2025年度事業計画
1年目に確立した生体内における1細胞動態解析を可能とするプログラム・ソフトを活用して様々なモデルマウスを利用し動画の撮影、さらに多くの細胞の解析を行う(慶應側)。1年目に開発されたプロトタイプからさらに細胞分離などを生体内で可能とするプログラム・ソフトの開発をOIST側で行う。さらに1年目研究中における解析において動態を制御する因子の抽出に成功しているため、同因子を変動する遺伝子改変マウスを作成し、動画撮影、動態解析、さらには生理学的な意義を検証する(慶應ーOIST)。
2024年度事業報告
2光子顕微鏡を用いて組織内における1細胞レベルでの動態を安定的に撮影するシステムを開発した(慶應側)。撮影した動画をOISTチームと共有し、画像解析を行うことで、動態因子として重要なファクターの抽出項目の同定を行なった。その上で簡便に組織内における動態解析を可能とするソフトの開発に成功した。研究計画どおりに現在進行中である。
■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)1)Distinctive duodenal microbiomes and bile acid profiles in duodenal tumor patients revealed by prospective observational study. Sci Rep. 2024 DOI: 10.1038/s41598-024-69820-7. 2)The tryptophan metabolic pathway of the microbiome and host cells in health and disease. International Immunology. DOI: 10.1093/intimm/dxae035
■プロジェクト活動を通じて特に成果を挙げた事柄OIST-KEIOコラボレーションとしてOIST側の興味分野、慶應側の興味分野を共通してプロジェクトを進めることができ、今後の更なるコラボレーション発展に向けて必要な意見交換を継続的に行えている。さらに個別プロジェクトとして組織内における1細胞解析を簡便に計測可能となるプログラムを構築できた部分が成果となる。
SDGs





プロジェクトメンバー
プロジェクトメンバー・所員について◎印は研究代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
---|---|---|---|
◎ 筋野 智久 | 医学部 | 准教授(有期) | 免疫学 |
吉松 裕介 | 医学部 | 助教(有期) | 消化器病学 |
宮本 健太郎 | 医学部 | 研究員 | 細菌学 |
千田 彰彦 | 医学部 | 助教(有期) | 腫瘍免疫 |
工藤 裕実 | 医学研究科 | 博士課程 | 腸管免疫 |
鈴木 祥平 | 医学研究科 | 博士課程 | 消化器病学 |
勝海 愛 | 医学部 | 助教(専修医) | 内視鏡学 |
加藤 智尋 | 医学部 | 助教(専修医) | 腫瘍免疫 |
長谷川 麻衣 | 医学部 | 助教(専修医) | 免疫学 |
深沢 直人 | 医学部 | 助教(専修医) | 消化器病学 |
重原 光那 | 医学部 | 助教(専修医) | 細菌学 |
ムスタファ サミ | OIST Physics and Biology Unit. | 研究員 | 人工知能 |
ジョナサン ミラー | OIST Physics and Biology Unit. | 教授 | 物理学 |