インターネット・オブ・ブレインズ・ソサエティ(IoB-S)
横断
研究概要
脳科学技術の進展には著しいものがあります。脳情報を計算論的処理をして一定の物理力に変換するBMI(Brain-Machine Interface)を中核技術として、リアル/ヴァーチャルの両世界でCA(Cybernetic Avatar)を操作することによって、わたしたちの身体能力が飛躍的に拡張し、時間や空間からの解放も徐々に社会実装されつつあります。こうした脳科学技術の発展が人間や社会にもたらす影響や意味を人文社会科学と科学者・技術者との対話によって探究していくのがこのプロジェクトです。IoT(Internet of Things)のつぎにやってくるIoB(Internet of Brains)の世界を見据えて、IoB-S("Internet of Brains"-Society)を立ち上げ、広く塾内外、国内外の有志が交流するプラットフォームを提供します。
2024年度事業計画
■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標前年度に引き続き、ムーンショットプロジェクト目標1にかかるELSIチームとして、IoB(Internet of Brains)の実現に伴うELSI課題の検討を行う。
特に、徐々に技術の社会実装が現実的な可能性として見えてきた中で、具体的な技術にかかるELSIの検討を深めることにしたい。
今年度は、ELSIレポートを含め、これまで蓄積されてきた研究成果についての国際発信を強化することを目標とする。
昨今、ニューロテックにかかる国際的なルールメイクやELSIの検討の動きが加速している。
そこで、IoB-Sとしても研究報告を含めた国際交流を積極的に実施し、こうした国際的な動向において存在感を示すことを目指したい。
2023年度事業報告
本年度は、ELSIレポートの作成やIEEEのNeuroethics Framework Wellnessチームの地域シンポジウムを主催するなど積極的な国際的活動を展開した。
また、国内学会での研究報告、研究業績の刊行(論文・著書の双方を含む)を行なった。
これにより、計画内容の全てを不足なく達成することができただけでなく、それを上回る国際的研究発表を行うことができた。
公開論文数:14
刊行著作数:1
国際学会等発表件数:3
国内学会等発表件数:6
IEEE Neuroethics Framework Wellnessチームの地域ワークショップを主催したほか、第46回日本神経科学学会において、
シンポジウム:「『倫理』だけで十分か―ニューロテクノロジーの持続可能な発展に向けて―」を共催した。
このほか、二ヵ年の法学セミナー連載の最終年度として具体的な想定事例の検討を行うことで、より具体的かつ詳細な法的・倫理的議論を展開することができた。
また、延世大学医学研究科とシンポジウムを共催するなど、国際交流活動にも力を入れた。
インターネット・オブ・ブレインズ・ソサエティ(IoB-S)
SDGs









プロジェクトメンバー
プロジェクトメンバー・所員について◎印は研究代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
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◎ 駒村 圭吾 | 法学部 | 教授 | 憲法、憲政史、憲法訴訟、権利基礎論 |
大島 義則 | 弁護士法人長谷川法律事務所/専修大学法科大学院 | 弁護士/教授 | 憲法学、行政法学、情報法 |
小久保 智淳 | 東京大学大学院情報学環 | 助教 | 憲法学、神経法学、認知過程の自由(congnitive liberty)、神経科学 |
堤林 剣 | 法学部 | 学部長/教授 | 政治思想史、比較政治思想史 |
横大道 聡 | 法務研究科 | 教授 | 憲法学、比較憲法学、表現の自由 |
斉藤 邦史 | 総合政策学部 | 准教授 | 新領域法学、民事法律実務、情報法 |
成原 慧 | 九州大学大学院法学研究院・法学部 | 准教授 | 情報法、表現の自由、プライバシー、個人情報保護、人工知能と法 |
酒井 麻千子 | 東京大学大学院情報学環 | 准教授 | 知的財産法、情報法・政策 |
西村 友海 | 九州大学大学院法学研究院 | 准教授 | 法哲学、法情報学、人工知能と法 |
福士 珠美 | 東京通信大学人間福祉学部 | 教授 | 脳神経倫理学、脳科学、責任ある研究とイノベーション、科学コミュニケーション |
松尾 剛行 | 弁護士 | 情報法(AI、医療情報、個人情報、プライバシーを含む) | |
数藤 雅彦 | 弁護士 | デジタルアーカイブ、著作権法、個人情報、肖像権 | |
小出 優花 | Boston Consulting Group | データサイエンティスト | 憲法学、心理学 |