サイバー文明研究センター (CCRC)
横断
研究概要

ネットワークでつながれたAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ブレイン・マシーン・インタフェース、そしてそれらが生み出すデータのクラウド集積などの今日の情報技術は、単なる便利な道具であることを超え、所有や交換、通貨制度など、今日の自由主義経済の根幹の実態を変えつつある。さらに、人間の意識や主体性、責任などといった人間の存在のありかたそのものに大きな問いを投げかけつつある。これらの大きな変化の兆候を、新しい文明の登場の黎明と捉えつつ、技術や制度形成を的確に先導をする研究を行う。
2024年度事業計画
■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標□当センター傘下の各ワーキンググループの継続根拠と目標
アジア太平洋レジリエント社会(APRS: Asia Pacific Resilient Society)
APRSでは、AP地域のレジリエント社会の構築のために、アジア太平洋の研究教育ネットワークの構築、次世代の人材育成、共同研究の推進、オープンサイエンスの推進などの具体的なアクションを設計実装し、2021〜2023の3年間で大きな成果が出てきた。2024年度からの5年間について、継続的な研究資金の獲得の見込みがついたため、現在5年間の研究・教育事業のプランを策定中。以下に2024年度のプランを記載する。
メディカルインクルージョン
サイバーセキュリティ研究センター
良質なメディアと一般市民のメディアリテラシーを支援するWEB標準技術研究会(WGML: Web Standards and Technology Study Group to Foster Good Media and Media Literacy in the General Public)
□センターとしての継続根拠と目標
デジタル技術の環境が社会の基盤として急速に発展するとともに、その社会的、人間的な課題も広がっている。これをサイバー文明としてとらえることを共通の理念として、それぞれの具体的な課題の議論に取りくむ。その意味で、各グループの活動は順調に成果を上げている。2024年度の具体的な研究活動資金源の確保の見通しがたったことで、センターとしての継続の意義が確立している。
各グループで設定されている目標を達成するとともに、KGRIとして、CCRCとして、成果が上がり、法学研究科、医学研究科、メディアデザイン研究科、理工学研究科、政策メディア研究科の連携体制による成果は全塾の成果となることも目標である。
サイバー文明としての、追及を国際、国内の有識者とともに活動を続ける。さらに新しい試みとして比較文明学会との連携を計画している。
CCRC鼎談企画「サイバー文明の創生」
サイバー文明の起源となる技術論と文明論の融合を可能にする鼎談を共同センター長村井純、比較文明学会会長で中央大学教授の保坂俊司、CCRCメンバーの佐野仁美で連続的に行う企画。共同センター長の村井の経験を通じ、その技術的転換点を明らかにし、仏教の興亡の専門家である保坂氏と共に過去の諸文明の繁栄・衰退と比較しながら、サイバー文明の基本性格や思想的・文明論的解釈を試みる。議論の内容は公開し、最終的にはレポートや論文などの成果物を予定。。
2023年度事業報告
□当センター傘下の各ワーキンググループの活動成果
アジア太平洋レジリエント社会(APRS: Asia Pacific Resilient Society)
[研究教育ネットワーク基盤]メディカルインクルージョン
サイバーセキュリティ研究センター
良質なメディアと一般市民のメディアリテラシーを支援するWEB標準技術研究会(WGML: Web Standards and Technology Study Group to Foster Good Media and Media Literacy in the General Public)
□センターとしての活動成果
毎週月曜夜にオンラインで行われているデイビッド・ファーバー教授とダン・ギルモア教授率いるトークセッションを2020年より継続中。毎回様々な分野のゲストを招き講演をしてもらっている。
CCRCメンバーを始め、サイバー文明に関連した分野を専門とする研究者にインタビューを行い、当センターウェブサイトに記事として掲載する広報活動を継続中。
■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)
【主な出版物・論文】
[共同研究成果(Community-Based Research Framework)]
【主なイベント】
■プロジェクト活動を通じて特に成果を挙げた事柄
サイバーセキュリティに関しての共同研究としての個別テーマの成果に加えて、慶應義塾としてのサイバーセキュリティシンポジウムを開催することで、各国大使館をはじめとする国際協調と連携を実現することができた。
コロナ時期に控えていた、アジア太平洋地域へのMoUをベースにした、人材育成、教育、
フィールドワークをほぼフル再開することができた。
2022~2023年にかけて、3回に分けて開催されてきた医療DXをテーマにしたセミナーの内容を総括した書籍を出版したことで、医療・健康分野の第一線で活躍する各者の先端の知見を広域に共有することができ、DX、ロボティクス、AI、新しいデジタルデータを前提とした医療のあり方に向け、新たに取り組むべき標準化への挑戦、制度整備、産官学で取り組むべきことの示唆となる知見を後世に残る資料とすることができた。
その他活動報告
社会中心のサイバー紛争 東アジアにおけるその動向と可能性
ニュース:
<2022年度>
SDGs











外部顧問委員会
プロジェクトメンバー
プロジェクトメンバー・所員について◎印は研究代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
---|---|---|---|
◎ 山本 龍彦 | 法務研究科/KGRI | 教授/副所長 | 憲法 |
國領 二郎 | 総合政策学部 | 教授 | 経営学、経営情報システム |
デイビッド・ファーバー | 法務研究科 | 特別招聘教授(国際) | コンピュータサイエンス、サイバーセキュリティ |
村井 純 | 慶應義塾大学 | 教授 | コンピュータコミュニケーション、オペレーティングシステム |
駒村 圭吾 | 法学部 | 教授 | 憲法、言論法 |
砂原 秀樹 | メディアデザイン研究科 | 教授 | モバイル通信技術、センサネットワーク、知識情報構成技術 |
宮田 裕章 | 医学部 | 教授 | 医療政策・管理学、医療の質、疫学、政策評価、社会科学方法論 |
泰岡 顕治 | 理工学部 | 教授 | 分子動力学 |
新保 史生 | 総合政策学部 | 教授 | 憲法、情報法 |
手塚 悟 | KGRI | 特任教授 | 情報セキュリティ、電子認証、電子署名、電子政府システム |
矢作 尚久 | 政策・メディア研究科 | 教授 | システム戦略、システムデザイン、ヘルスケア社会システム戦略論 |
梅嶋 真樹 | SFC研究所/国際電気標準会議(IEC) | 上席所員/システム委員会スマートエネルギー開発計画担当コンビーナ | 経営情報システム、インフラストラクチャ設計、総合政策学 |
カタリナ・マラケ | KGRI | 特任准教授 | 知的財産法、オープン・イノベーション、法哲学 |
ダニット・ガル | 国際連合デジタル協力に関するハイレベルパネル | テクノロジーアドバイザー | AIの社会分析 |
深澤 昌生 | 株式会社リクルート | エグゼクティブソリューションプロデューサー | 経営学、マネジメントサイエンス |
深見 嘉明 | 東京理科大学 経営学部 国際デザイン経営学科 | 講師 | 経営情報学、標準化戦略、技術経営、データ流通、コラボラティブ・イノベーション |
佐野 仁美 | 政策・メディア研究科 | 研究員 | 科学技術社会論 |
ロドニー・バンミーター | 環境情報学部 | 教授 | 量子計算、ムーアの法則後のコンピューター・アーキテクチャ、ディストリビュテド・マス・ストレージ・システム |
大屋 雄裕 | 法学部 | 教授 | 法哲学 |
藤田 卓仙 | 東京財団政策研究所/医学部 医療政策・管理学教室 | 主席研究員/特任准教授" | ヘルスケアデータ、医療政策 |
大川 恵子 | メディアデザイン研究科 | 教授 | デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築 |
伊藤 穰一 | 千葉工業大学/千葉工業大学 変革センター | 学長/所長 | デザインとサイエンス、コミニティーと社会変化、人工知能のガバナンス、イノベーションと機関研究デザイン |
キャメロン・フリアー | 政策・メディア研究科/マサチューセッツ工科大学(MIT) Probabilistic Computing Project | 特任准教授/研究員 | 計算可能性・複雑性理論、確率コンピューティング、ランダムネス(無作為性)と計算 |
ティースマイヤ リン | 環境情報学部 | 名誉教授 | メコン河上流域の地域開発・農村開発 |
クロサカ タツヤ | 政策・メディア研究科 | 特任准教授 | 情報通信政策、人工知能政策、モバイル通信技術 |
龍治 玲奈 | 日本マイクロソフト株式会社 | 社会貢献担当部長 | デジタルデバイド・インクルーシブ社会・コレクティブインパクト |
サブプロジェクトメンバー「サイバーセキュリティ研究センター」
プロジェクトメンバー・所員について◎印はサブプロジェクト代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
---|---|---|---|
◎村井 純 | 慶應義塾大学 | 教授 | コンピュータコミュニケーション、オペレーティングシステム |
砂原 秀樹 | メディアデザイン研究科 | 教授 | モバイル通信技術、センサネットワーク、知識情報構成技術 |
河野 健二 | 理工学部 | 教授 | システムソフトウェア、オペレーティングシステム、ソフトウェア信頼性、インターネットセキュリティ |
中村 修 | 環境情報学部 | 教授 | 計算機科学 |
武田 圭史 | 環境情報学部 | 教授 | 情報セキュリティ(侵入検知、セキュリティアーキテクチャ, ソフトウェアセキュリティ等) |
三次 仁 | 環境情報学部 | 教授 | 無線通信、無線応用、宇宙構造物、計算工学 |
植原 啓介 | 環境情報学部 | 教授 | コンピュータネットワーク |
新保 史生 | 総合政策学部 | 教授 | 憲法、情報法 |
手塚 悟 | KGRI | 特任教授 | 情報セキュリティ、電子認証、電子署名、電子政府システム |
鈴木 茂哉 | 政策・メディア研究科 | 特任教授 | 情報通信、ブロックチェーン、データセキュリティ 、認証システム |
近藤 賢郎 | KGRI/北海道大学情報基盤センター | 特任助教/助教 | サイバーセキュリティ、コンピュータネットワーク |
サブプロジェクトメンバー「アジア太平洋レジリエント社会」
プロジェクトメンバー・所員について◎印はサブプロジェクト代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
---|---|---|---|
◎大川 恵子 | メディアデザイン研究科 | 教授 | デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築 |
湧川 隆次 | KGRI | 特任教授 | コンピューターコミュニケーション、モバイル通信 |
明石 枝里子 | KGRI | 特任助教 | 協働学習、オープン・エデュケーション、デジタル・デバイド |
池田 梨花 | KGRI | 研究員 | コミュニティ・ベースド・ラーニング、教育工学、経営情報 |
有馬 俊 | KGRI | 特任助教 | オンライン学習デザイン、映像制作、リフレクションデザイン |
板垣 清子 | KGRI | 研究員 | サービスデザイン |
ファティマ・アッシルミア | KGRI | 特任助教 | ラーニングデザイン、地域参加型デザイン、視覚的コミュニケーション&デジタルメディア |
ナヴァロ レアンドロ | KGRI | 特任助教 | イマーシブメディア、フィールドワーク学習、ゲームベース学習 |
サブプロジェクトメンバー日ASEAN分散電源サイバーセキュリティプロジェクト(村井担当)
プロジェクトメンバー・所員について◎印はサブプロジェクト代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
---|---|---|---|
◎村井 純 | 慶應義塾大学 | 教授 | コンピュータコミュニケーション, オペレーティングシステム |
大川 恵子 | メディアデザイン研究科 | 教授 | デジタルコミュニケーションと教育環境、アジア教育基盤の構築 |
梅嶋 真樹 | SFC研究所/国際電気標準会議(IEC) | 上席所員/システム委員会スマートエネルギー開発計画担当コンビーナ | 経営情報システム、インフラストラクチャ設計、総合政策学 |
CCRCフェロー
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
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ダン・ギルモア | アリゾナ州立大学/News Co/Lab | 教授/共同創立者 | メディア&テクノロジー、デジタル・メディア・リテラシー |
クリストファー・ホブソン | オーストラリア国立大学 | コンビーナー | 国際関係、政治理論、倫理、災害社会学&社会科学&テクノロジー |
マイケル・ネルソン | カーネギー国際平和財団 | 上席フェロー | 次世代インターネットテクノロジー、情報技術政策、サイバーポリティクス |
トビアス・バーガーズ | フルブライト大学ベトナム校 | 特任教授 | サイバーセキュリティと国際政治、軍事用ロボット、フューチャーコンフリクト、国際安全保障関係 |
ハラルド クマレ(2024/7/1-) | ドイツ日本研究所 | 主任研究員 | 科学史、科学技術社会論、デジタル・ヒューマニティーズ |