鳥谷 真佐子

自己紹介

健康寿命延伸プロジェクトでは,2040年の超高齢化社会における健康に関する様々な課題に対応するべく,予防医療,介護・生活支援,認知症,高齢労働者等による価値生産に焦点を当て,現状の課題分析,将来予測等から,あるべき社会システム像を検討,設計し,社会に提案することを目指しています。ヘルスケア分野のみならず,法・政治,情報科学,材料科学等他分野との連携により,社会構造から産業,個々のサービスに至るまで,様々なレベルにおける要素の相互関係を考えながら,今後作っていかなければならない仕組みを提案したいと思っています。


toriya

経歴
私は今までの経歴の中で,ライフサイエンス研究(大阪大学にてPh.D取得),リサーチ・アドミニストレーション(金沢大学),システムデザイン・マネジメント(慶應義塾大学)に関わってきました。特に最近では,システムデザイン・マネジメントで用いるシステム思考やシステムズエンジニアリングの手法を活用し,大学研究戦略や科学技術イノベーション政策,公共施設の評価方法開発などの研究を行っています。また,イノベーションを目指した新規事業創出方法の教育にも携わってきました。今後は,主にシステムズエンジニアリングの手法を,社会システムの分析・設計に活用していきたいと考えています。これらの経歴は一見脈絡がないように見えますが,ライフサイエンスの研究現場の経験を持ちながら,ヘルスケアサービス・システムを考える,リサーチ・アドミニストレーションという研究支援現場の経験を持ちながら,研究戦略や研究に関する政策を考える,また,新製品・サービスを作る方法を教えながら,イノベーションを考える,といったように,ミクロとマクロを両方の経験を持ち,それらを体系立てていくという共通点があります。それを可能にするのが,システムデザイン・マネジメントの考え方です。システムデザイン・マネジメントとは,マクロな視点から問題を俯瞰的に捉え、全体統合型の解決策を提案(デザイン)するとともに、解決策をミクロまで確実に精緻化するという統合型の学問です。このシステムデザイン・マネジメントの考え方を用い,ミクロレベルからマクロレベルまでを統合して,健康に関するシステムのあるべき姿を描きたいと考えています。


研究業績
主な論文:

  1. 大学の研究力を総合的に把握する「量」,「質」,「厚み」に関する5つの指標と,新しい国際ベンチマーク手法の提案,小泉 周, 調 麻佐志, 鳥谷 真佐子STI Horizon 7(1) 2021年
  2. システム思考の科学技術イノベーション(STI)政策(後編) システム思考の政策分析による論点整理の方法 -第5期科学技術基本計画を素材として-,鳥谷 真佐子, 白川 展之, 小泉 周, 調 麻佐志,STI horizon 6(3) 2020年
  3. システム思考の科学技術イノベーション(STI)政策(前編) 第5期科学技術基本計画の俯瞰・構造分析から見えるSTI政策の課題,鳥谷 真佐子, 白川 展之, 小泉 周, 調 麻佐志,STI horizon = STIホライズン : イノベーションの新地平を拓く 6(2) 44-49 2020年
  4. システム思考による新型コロナウイルス感染症対策の可視化 : 政府・専門家会議が検査を増やすことができなかった「理由」,調 麻佐志, 鳥谷 真佐子, 小泉 周,科学技術コミュニケーション (27) 21-30 2020年
  5. リサーチ・アドミニストレーターの現状と課題, 鳥谷 真佐子, 稲垣 美幸, 大学行政管理学会誌 (15) 33-40 2011年
  6. Long-term Infusion of Brain-Derived Neurotrophic Factor Reduces Food Intake and Body Weight via a Corticotrophin-Releasing Hormone Pathway in the Paraventricular Nucleus of the Hypothalamus, M. Toriya, F. Maekawa, Y. Maejima, T. Onaka, K. Fujiwara, T. Nakagawa, M. Nakata, T. Yada, Journal of Neuroendocrinology 22(9) 987-995 2010年

その他研究業績については,こちらをご覧ください。
researchmap