【プレスリリース】「ネクストファミリー」時代の価値創造を考える──慶應義塾大学、2050年の多様な家族・パートナーシップ像と企業経営について研究・社会実装する活動を開始
2025.11.12
2050年における新たな家族・パートナーシップ像「ネクストファミリー」とはなにか、「ネクストファミリー」は企業経営にどのような影響を与え事業・組織・社会をどのように変えていくのかを学際的に探究していきます。本活動の第一弾として、「『ネクストファミリー』の時代の価値創造を考える」と題したセミナーイベントを12月4日に開催します。
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(所在地:東京都港区、所長:中妻 照雄(経済学部 教授)、以下KGRI)は、2050年の多様な家族・パートナーシップ像と企業経営について、研究・社会実装を進める活動を開始します。20世紀的な「家族のかたち」からの脱却を前提に、2050年の家族像=ネクストファミリーのかたちを学際的に探求し、事業や経営のあり方を再構築していくためのソリューション開発を推進していきます。本活動の開始にあたり、2025年12月4日(木)16時より、セミナーイベントを開催します。
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(所在地:東京都港区、所長:中妻 照雄(経済学部 教授)、以下KGRI)は、2050年代における家族・パートナーシップ・つながりの多様化を研究テーマとした新組織「ネクストファミリー研究センター(仮称)」設立に向けた活動を開始しました。本プロジェクトは、家族社会学を専門とする文学部・阪井裕一郎准教授を研究代表とし、一般社団法人デサイロが企画・運営面で協力。学術研究と社会実装を横断する研究・社会実装プラットフォームとして活動します。
また、本活動の開始にあたり、2025年12月4日(木)16時より、イベント「『ネクストファミリー』の時代の価値創造を考える──2050年の家族・パートナーシップ像と企業経営のかたち」を開催します。
プロジェクト概要
事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングル。一対の男女による結婚と出産を前提とする「標準家族モデル」では捉えきれないような、多様な家族のかたちが急速に広がっています。
このように家族のあり方が多様化する社会においては、住宅や保険、通信、食品、子育て関連など、私たちの生活を支えるあらゆる産業がその変化に応答していく必要があります。さらに、企業や行政といった組織の制度設計(たとえば人事制度、福利厚生、法務上の取扱など)においても、既存の婚姻・血縁を基準とした枠組みでは対応しきれない局面が増えています。
また、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2020年の50歳時未婚率(50歳時点の未婚割合)は男性が約28%、女性が約18%と過去最高を記録し、この傾向は今後も続くと予測されています。さらに離婚率の増加、少子高齢化により単身・独居者の割合が増大する中でさまざまな社会課題が生じてきており、これまでの家族の形に縛られない新しい繋がりが模索されています。
こうした問題意識のもと、家族社会学を専門とし『結婚の社会学』や『事実婚と夫婦別姓の社会学』などの著書で知られる慶應義塾大学文学部准教授・阪井裕一郎氏を中心に、研究・社会実装プロジェクトを設立。本プロジェクトでは、20世紀的な「家族のかたち」からの脱却を前提に、2050年の家族像=ネクストファミリーのかたちを学際的に探求。そうして描かれた未来像からバックキャスティングして、事業や経営のあり方を再構築していくためのソリューションを開発していきます。
■プロジェクト代表者|阪井 裕一郎
慶應義塾大学 文学部 社会学専攻 准教授
1981年、愛知県生まれ。大妻女子大学人間関係学部准教授を経て、現職。博士(社会学)。
専攻は家族社会学。著書に『結婚の社会学』(ちくま新書)、『仲人の近代――見合い結婚の歴史社会学』(青弓社)、『事実婚と夫婦別姓の社会学』(白澤社)、共著に『結婚の自由――「最小結婚」から考える』(白澤社)、『社会学の基礎』(有斐閣)、共訳書にエリザベス・ブレイク『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』(白澤社)など。
<イベントのお知らせ>
本活動の開始にあたり、2025年12月4日(木)16時より、セミナーイベント「『ネクストファミリー』の時代の価値創造を考える──2050年の家族・パートナーシップ像と企業経営のかたち」を開催します。
本セミナーでは2050年における家族・パートナーシップ像のあり方、「ネクストファミリー」とはなにか、また、「ネクストファミリー」が企業経営に与える影響や事業・組織・社会をどのように変化させていくのかについて講演とディスカッションを通じて探索していきます。
■日時:2025年12月4日(木)16:00 - 19:30(開場:15:30)
■会場:慶應義塾大学 三田キャンパス 東館6階 G-Lab
※アクセス:キャンパスマップはこちら(東館はキャンパスマップ⑬の建物です)
■対象:
・企業において福利厚生制度、人事制度などの運用・設計に携わる人事総務部門、経営企画部門のご担当者様
・住宅・不動産や金融・保険業・小売・サービスなど、家族や夫婦のあり方の変化に対応すべき商品・サービスを扱っている企業の企画・マーケティング担当者様
■参加費:無料
■参加登録:参加登録はこちら ※申込締切 2025年12月2日(火)
■プログラム
〈第1部:基調講演〉
16:00-16:30 「ネクストファミリー」とは?2050年の家族・パートナーシップ像を考える
登壇者:阪井裕一郎(慶應義塾大学文学部 准教授)
16:30-16:40 多様な家族形態が当たり前のように認められる社会の実現のために
登壇者:内山 穂南(一般社団法人Famiee共同代表理事、株式会社wagamama共同代表取締役)
〈第2部:パネルディスカッション〉
16:40-17:40 ネクストファミリーが事業・組織・社会に与える変化を展望し、ラディカルな未来像から現実的な対応策まで包括的に議論する。
登壇者:
篠田真貴子(エール株式会社 取締役)
白根 由麻(博報堂キャリジョ研プラス リーダー)
阪井裕一郎(慶應義塾大学文学部 准教授)
〈第3部:コメント・ネットワーキングセッション〉
17:40-18:10 来場者よりパネルディスカッション登壇者へのコメント・質疑応答
18:20-19:30 懇親会
■本件に関するお問い合わせ先:
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)
課題ワンストップ受入解決ユニット事務局
メール:kgri-ianda@adst.keio.ac.jp
https://www.kgri.keio.ac.jp/
■KGRIについて
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)は、2016年11月に、学部・研究科横断的な全塾的研究組織として慶應義塾内に設置されました。KGRIは、一学問領域や一国・地域におさまらない学際的、国際的連携研究を推進し、その研究成果を国内外へ発信するとともに、さらなる連携研究を促進することを目的としています。
この目的を達成するために、KGRIには、外部資金やKGRI内助成により、40を超えるセンターやプロジェクトが設置され、基礎研究からグローバルな社会課題の解決を目指すものまで、さまざまな研究が進められています。
公式サイト: https://www.kgri.keio.ac.jp/index.html
■一般社団法人デサイロについて
人文・社会科学分野の研究者とともに次なる社会を形づくる思想やアイデアを生み出すシンクタンクです。学術知を起点としたプロジェクト創出などを通じて、「知の創造と流通」を支えていきます。本プロジェクトでは、企画・運営パートナーを務めます。
公式サイト: https://de-silo.xyz/

