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KGRI Lecture Series: (2018.8.3開催)#1 "中枢神経系における細胞・薬剤導入のための注入可能な生体高分子"

2018.07.30

慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)では,国際的な研究・教育交流を図ることを目的として,最先端の研究・教育に携わる方を国内外よりお招きして講演会を開催しています。

今回は,フィリッポ ロッシ先生(ミラノ工科大学・Assistant professor)をお招きして,「中枢神経系における細胞・薬剤導入のための注入可能な生体高分子」と題して講演いただきます。


日 時:2018年8月3日(金)16:30~18:20  開場 16:00
16:30~17:25 #1 フィリッポ・ロッシ先生の講演
※17:25~18:20 #2 ユンジョン・ホ先生の講演
会 場:慶應義塾大学 矢上キャンパス 厚生棟3階 大会議室(16-A F3) 
主 催:慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI) 基軸PJ創造クラスター
定 員:80名
対 象:どなたでもご参加いただけます。
言 語:英語(同時通訳なし)
その他:参加費無料,事前登録不要,直接会場にお越しください。

講演概要:
再生医療を実現させていくためには,非常に学際的な分野であることを意識することが重要であると広く受け入れられています。このような現状において講演者らは,脊髄損傷(SCI)の修復治療1,2において,細胞および薬物送達のためのヒドロゲルおよびナノ粒子の開発研究を行いました。効率的な治療方法がないおそらく最も重要な原因が,脊髄損傷の多要因の病理学的傾向であると考えられます3。そのため,複数の異なる治療用の薬剤(細胞および薬物)を制御しながら徐放するシステムが特に強い関心を引いています4,5。単なる試行錯誤に基づく研究アプローチを避けるために,古典的な化学工学によるマルチスケールアプローチによる研究,すなわち,マクロな物質特性を操作するためのマイクロスケールの化学反応場のチューニングが,特化した医療におけるニーズを満たすために有効になります。例えば,ポリマーの注入可能性や,標的組織に対する低ストレス性,薬液を保持する能力,生細胞を担持すること,複数の薬物の徐放制御などが挙げられます6
1. Papa S. et al. J. Control. Release 2018, 278, 49-56;
2. Rossi F. et al. ACS Nano 2013, 7, 9881-9895;
3. Rossi F. et al. Expert Opin. Drug Deliv. 2017, 14, 1305-1313;
4 Rossi F. et al. Biomaterials 2016, 75, 135-147;
5. Mauri E. et al. Biomater. Sci. 2018, 6, 501-510;
6. Rossi F. et al. PCCP 2017, 19, 11518-11528.

<講師プロフィール:
フィリッポ・ロッシ博士は,2007年12月にミラノ工科大学(Politecnico di Milano)で化学工学の修士号を取得し,細胞挙動の検知と制御を可能とするヒドロゲルについての論文を発表。同じく,ミラノ工科大学化学工学科で2011年2月に取得した博士号の研究では,脊髄損傷治療における細胞および薬物の放出を制御および維持を可能とするポリマーデバイスを提案。この博士号取得期間中にImperial College London(Boccaccini教授)においても訪問学生として共同研究を実施。2012年にUppsala大学のPost-Doc(Hilborn教授)として滞在の後,2015年2月からミラノ工科大学応用化学科のAssistant professor,兼Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのGuest researcherとして着任。彼の主な研究分野は,ナノメディシン,ドラッグデリバリー,組織工学のための革新的なポリマー材料の分野であり,実験とモデルの両面からのアプローチで研究を実施している。


ポスター #1


問い合わせ
理工学部 機械工学科 尾上研究室
尾上 弘晃 (e-mail: onoe[at]mech.keio.ac.jp)
"[at]"を"@"に変更して送信してください。