AI・高度プログラミングコンソーシアム
センター概要
教員・塾生が、文系理系を問わない学術研究・参学協働における必須ツールとしてAIやプログラミングを活用する環境を産業界と共に整え、その利用方法を研究する。若く柔軟な考え方を有する若者ほどAIやプログラミング活用に長けるという考えのもと、塾生レベルで様々な活動に取り組める最新のAI・プログラミング環境を用意し、学生が他の学生を教える半学半教の学びの場を創り、産業界とともにAIやプログラミングに関するコンテスト等を企画することで、AI・プログラミング能力に長けた塾生の数を増やす。そして、塾生自らの研究においてAIや高度プログラミングの利用を促進すると同時に、塾教員・研究者にも門戸を開き、塾生・企業メンバー・研究者が議論を深めることから、AI・高度プログラミングツール活用の最先端を開拓すると同時に、その手法を義塾における基礎研究全般にフィードバックする。
2023年度事業計画
■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標2023年度も引き続き、初級者から上級者対象の様々な講習会、コンテスト、講演会を実施し、AI・プログラミング活用に長けた、塾生を増やし、様々な研究分野における活用の幅をひろげていく。講習会の内容もさらに充実を図る。また、優秀な塾生をICPCの海外におけるコンテスト派遣の援助も行い、プログラミング能力の向上を図る。また、企業とのコラボイベントも充実させ、実社会での活用事例の習得向上も図る。
2023年度は、一貫教育校へのAI/Data Science 教育への展開の充実を図る。この分野では、日本の教育が世界に比べ、遅れている課題があるが、一貫教育校である慶應義塾の特質を生かし、早期に、世界トップレベルの人材の育成を目指し、小中高のAI/Data Science・高度プログラミングの教育展開を図る。RPAを用いたDX、DatabricksをはじめとするAI Platformの教育コンテンツも充実を図る。
AICカンファレンスの実施、SIGの立上げを踏まえ、2023年度では、より充実したプログラムとして、発表の場や、探求の場を継続する。これにより、学生をはじめ、参加企業との教育研究の充実を図る。
AI・プログラミングを学習する塾生をさらに増やすために、本コンソーシアムの知名度向上を目指した、広報活動をさらに積極的に展開する。SNS、ポスター、Webの積極利用を行うための専用チームメンバーを増員し、効率的に効果を上げることを目標とする。
AI・データサイエンスが様々な企業において活用されていることから、参加企業と共同して実践的なイベントを開催する予定である。具体的には、企業が提示した問題に対し、学生がグループを形成して課題解決を行う。学生にインセンティブを出し、モチベーションを維持してもらい、継続的に課題に向かってもらう。
2022年度事業報告
■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度メンバー企業の協力の下、塾生のAI・プログラミング能力向上のため、以下のイベントを行った。
- AI・プログラミングの初心者から上級者の塾生に対し、春学期16講座、秋学期18講座の講習会を開催し、延べ6000人強が受講した。コロナ禍においても、オンライン授業の活用で、多くの学生に受講が可能となった。また、秋学期からは、対面授業も復活を図った。
- AIコンソーシアム主催のウェブサイト上で完結するAI、機械学習に関するプログラミングの演習を実施し、目標通り、塾生のAIに関する能力上達を図ることができた。
- メンバー企業と共催でAI・データサイエンスに関連するイベントを実施し、塾生の能力向上とともに、塾生が、イベントを実施したメンバー企業に大いに関心を持つようになり、塾生、企業にとって相手をよく知る機会が得られた。
- 一貫教育校でのAI・プログラミング、データサイエンスの教育支援を、本年度より開始した。カリキュラムの開発を行い、幼稚舎でのトライアル・イベントを実施。また、SFC中高でのトライアル・イベントを企画している。
- RPAを用いたDXの推進をスタートした。AIC内の業務プロセスを題材として、自動化の推進を開始した。講習会の修了証の自動発行を実現、さらに、別のDXを推進している。
- Databricksという、注目されているAI/Data Science基盤の調査を行って、AI Platformとしての教育について、検討を開始した。
- 初めての試みとして、AI・プログラミング、データサイエンスのテーマで、これまでの活動の総括や、学会での既発表論文を含めた、AICカンファレンスを企画・実施した。
- Special Interest Group(SIG)の活動も、新しく開始した。特定の探求テーマを深堀するコミュニティを企画・運営し、幅広いAI・プログラミングの実体験できる活動を開始した。
本年度から開始した活動として、以下のような取り組みを行った。
- 2022/06/24 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム
AI/ロボット委員会 医療&ヘルスケアWG 講演 「AIとヘルスケア・医療 - 課題と今後の展望」 (石川繁樹) - 2022/11/08 大塚社内報
「慶應AICで大塚製薬のAIの取り組みを紹介」 - 2022/11/24 日刊工業新聞 P23 (矢向高弘)
慶應大「AI教育で全学共通科目」 - 半学半教活用 一部正規授業に - - 2022/12/01 静岡市立高等学校 科学探求科SSH(Super Science High School)講義(小林真里)
- 2023/02/17 モバイルコンピューティング推進コンソーシアム AI/ロボット委員会 第三回未来塾セミナー 「医療データと未来医療の世界」:「医療・ヘルスケアにおけるデータと人工知能活用の展望」(石川繁樹)
- 2023/03/04 AIC Conference
■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄
すべての講習会、コンテスト、講演会等のイベントをオンライン、一部、対面にて開催したが、受講者数は昨年度よりも大幅に増大した。
本年は、一貫教育校でのAI/Data Science教育支援活動や、RPAを用いたDX、AI/Data ScienceのPlatformの研究調査、など、新しい活動も開始でき、今後の教育支援の充実にむけて、新たなるスタートを切ることができた。また、様々な応用事例についての考察も可能とした。
ICPCの世界大会に出場し、世界の第42位に入ることができた。
AI・高度プラグラミングの研究活動に賛同し、多くの参加メンバー企業が、イベントに参加頂き、研究活動に対する、助言、新たなテーマや仕組みの提案をおこなって、塾生のAIやプログラミング能力の向上に協力いただいた。
センター オリジナルWebサイト:
慶應義塾大学 AI・高度プログラミングコンソーシアムSDGs
設置期間
2019/11/01~2024/10/31メンバー
◎印は研究代表者
氏名 | 所属研究機関 | 職位 | 研究分野・関心領域 |
---|---|---|---|
◎ 矢向 高弘 | システムデザイン・マネジメント研究科 | 教授 | 高信頼知的システムデザイン、符号理論、機械学習、ヒューマンコンピュータインタラクション |
榊原 康文 | 理工学部 | 教授 | 生命・健康・医療情報学、システムゲノム科学 |
泰岡 顕治 | 理工学部 | 教授 | 分子動力学 |
内山 孝憲 | 理工学部 | 教授 | 生体計測、筋電図、筋音図、床反力、システム同定 |
山本 直樹 | 理工学部 | 教授 | 量子計算、量子情報、数理工学 |
重野 寛 | 理工学部 | 教授 | コンピュータネットワーク、モバイルコンピューティング、ユビキタスコンピューティング |
高田 眞吾 | 理工学部 | 教授 | ソフトウェア工学 |
杉浦 孔明 | 理工学部 | 教授 | 知覚情報処理、知能情報学、知能ロボティクス |
舟橋 啓 | 理工学部 | 教授 | システムバイオロジー、定量生物学、計算生物学、機械学習、生化学ネットワーク |
天谷 雅行 | 慶應義塾/医学部 | 常任理事/教授 | 皮膚科学 |
岡野 栄之 | 医学部 | 教授 | 神経科学、幹細胞生物学、分子生物学、発生生物学、再生医療 |
陣崎 雅弘 | 医学部 | 教授 | 放射線科学 |
嘉治 佐保子 | 経済学部 | 教授 | 欧州経済、国際マクロ経済学 |
中妻 照雄 | 経済学部 | 教授 | 統計科学(ベイズ統計学)、経済統計(計量経済学) |
神武 直彦 (2023/6/10-) | システムデザイン・マネジメント研究科 | 教授 | システムズエンジニアリング、デザイン思考、社会技術システムのデザイン、計算機科学、宇宙システム、IoT |
石川 繁樹 | 理工学部 | 特任教授 | 人工知能、IoT・データサイエンス、情報処理、ロボット工学 |
小林 真里 | 理工学部 | 特任准教授 | 再生医療、人工知能 |
椎名 茂 | 理工学部 | 訪問教授 | 人工知能、情報処理、経営工学 |
遠藤 克浩 | 理工学部 | 訪問助教 | 機械学習 |
栗原 聡 (2023/10/7-) | 理工学部 管理工学科 | 教授 | 人工知能、複雑ネットワーク科学、計算社会科学 |
奥出 直人 (2023/10/1-) | KGRI | 特任教授 | デザイン思考、生成系AIを活用した都市構想 |
斉藤 賢爾 (2023/11/11-) | KGRI | 共同研究員 | ソフトウェア、計算機システム・ネットワーク、インターネットと社会、自律分散協調システム |