医療経済・医療技術評価研究センター

   

センター概要

本センターは、学内の様々な部局にいる関連分野の研究者が医療技術評価の研究を進めていくための拠点を形成するものであり、慶應義塾内に広く存在する教員の融合を図り、医療経済、医療技術評価の方法論についての基礎的な研究や実践的な評価プロジェクト、あるいは企業との共同研究等を行って、本分野を先導するとともに、国の公的分析機関として持続可能な保健・医療制度についての研究も行う予定である。

2023年度事業計画

■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

来年度も継続して、
(1) 患者数が多く健康面でも医療費の面でも社会的な影響の大きな疾病について、費用対効果の研究とその基となる医療費やQOLの分析、
(2) 医療政策の評価研究、についてセンターの研究スタッフ独自のプロジェクトに加え、他研究機関との共同研究も含めて積極的に進めて行く。
2019年度から薬剤と医療機器に関する費用対効果の政策応用が始まっているが、これら以外の診療行為や予防医療に関する医療経済分析は、高齢化が進み保健医療ニーズが高まっているのにかかわらず財政制約が強いわが国にとって喫緊の課題であり、今後も政策決定の根拠となるエビデンスが求められるため、予防医療に関する医療経済研究も進めていく。

■2023年度の新規活動目標と内容、実施の背景

2023年度は、これまで行ってきた医薬品や診療行為、予防・健診の医療経済評価で対象とならなかった疾患分野についても研究対象を拡大していくことを目標とする。また、本センターは、医療経済評価に関する研究人材育成も目的としているため、これまで医療経済評価に携わってこなかった人材にも積極的に研究に魅力を伝える活動を行っていく。

2022年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

研究面では、
(1) 患者数が多く健康面でも医療費の面でも社会的な影響大きな、がんや生活習慣病について、費用対効果評価や費用対効果の基となる医療費やQOLの分析
(2) 患者自己負担など医療サービス消費や医療費、健康に大きな影響を与えうる医療政策の評価について、センターの研究スタッフ独自のプロジェクトに加え、他の研究室との共同研究も含めて積極的に進め、学術論文の公刊や学会発表を行った。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

・公刊論文数8本(Journal of the American Society of Nephrology, Journal of Clinical Medicine, BMJ open, Social Science and Medicine (SSM) -Population Healthなど)
・学会発表件数8件(国内3件、国際5件)
・企画講演会「医療経済学 現在-過去―未来」(2022年12月20日)
・発足3周年記念特別セミナー「QALY 研究50年-倫理学の視点から考える-」(2022年9月25日)

■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

2020年度から、新たに費用対効果評価の政策応用である医薬品、医療機器の経済評価研究を国立保健医療科学院と共同して行っているが、2022年度は2021年度担当品目を増やすことが出来た。政策科学である医療技術評価の基礎・応用面からの研究を進めるためにも、現実の政策評価研究の規模を広げていることは重要だと考えている。

SDGs

3. すべての人に健康と福祉を3. すべての人に健康と福祉を

設置期間

2019/10/01~2024/03/31

メンバー

◎印は研究代表者

氏名所属研究機関職位研究分野・関心領域
◎ 後藤 励 経営管理研究科 ・兼ビジネススクール 教授 経済政策、財政・公共経済、疫学・予防医学、病院・医療管理学
武林 亨 医学部 教授 疫学・予防医学、衛生学・公衆衛生学
宮田 裕章 医学部 教授 医療政策・管理学、医療の質、疫学、政策評価、社会科学方法論
石田 浩之 スポーツ医学研究センター 教授 スポーツ医学、内科学、老年学
井深 陽子 経済学部 教授 医療経済学
杉山 大典 看護医療学部 教授 疫学・予防医学、衛生学・公衆衛生学
漆原 尚巳 薬学部 教授 疫学・予防医学、医療技術評価学
佐藤 泰憲 医学部 准教授 統計科学、生命・健康・医療情報学、応用薬理学、疫学・予防医学、衛生学・公衆衛生学
阿久根 陽子 健康マネジメント研究科 特任講師 医療経済評価、薬剤疫学