超成熟社会創造・創発オープン研究センター

   

センター概要

慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート内に設置する超成熟社会創造・創発オープン研究センターは、日本が世界に先駆けて直面する「超成熟社会」における新しい社会システムを、慶應義塾の文系・理系を融合し、日本電信電話株式会社(NTT)等との複数の企業との産学連携研究をコアとして、広く国内外のアクティビティと融合していくコンソーシアム型オープンラボラトリーである。
オープン研究センターは、慶應義塾と複数の企業のメンバーを融合して、理工学、社会学、政策、経済学、医学といった制限することのないフィールド技術をベースに、ICT技術をコアとしながら「超成熟社会」の問題を共同研究する。
2022年は、主に光ネットワーク関連で、オープンラボの立ち上げの準備をした。これは、NTTのIOWN構想に基づく活動でもあり、本センターが中心となる機能を持つ。

2023年度事業計画

■前年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

COVID-19でスケジュールが狂ってしまっているが、米国と日本で共同のプロジェクトを作り、新川崎を世界に一つのCoEキャンパスとして動かすことが主要な活動である。一方、エッジコンピュータを用いたスマート化の研究は順調に進んでおり、実用化を含めた研究は急加速し、南大沢へのテストベッドが行われた。キャンパスを利用した走行実験もSFC大前教授らが中心となり企業とも連携し実施した。一部を社会実装に向けて検討しており連携の成果となる可能性が出てきた。

■2023年度の新規活動目標と内容、実施の背景

2023年度は、センター名を「超成熟社会創造 ・創発オープン研究センター」としてスタートし、オンラインの活用も考えて、国内コンソーシアムのメンバーとグローバルワークショップを行なう。また、場合によっては、国際会議等で本研究センターのセッションやシンポジウムを開催し、グローバル化をアピールしたい。また、文理融合にも力を入れ、この活動をコアとして、他大学との連携の可能性を広げる。
また、状況が許せば、米国でのワークショップを企画したい。

2022年度事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

2022年度に加速した研究について述べる
(1)グローバル活動
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)コンソーシアムのグローバルフォーラムメンバー(アカデミア・リサーチ)として活動をすると同時に慶應として米国UTDと一緒にSC2022で公開実験を行った。これは、国内6社、海外8社との共同オペレーションである。
(2)合同ワークショップと慶應テクノモールへの貢献
今年度は、残念ながら共同のワークショップは開催されなかった。しかし、けいはんなオープンラボ(総務省主催)およびPhotonic Internet Labを通じて、共同主催の国際ワークショップ(iPOP2022)開催した。また、慶應義塾のテクノモールに関しては、さらに積極的に取り組み、スマート社会創造に貢献した。
(3)人材育成
昨年に引き続き、2名の企業の研究者をダブルアポイントメントとして招聘し、大学院の修士及び博士の指導を行なっている。この取り組みは博士等の副主査にPhDを持った企業の方に参加していただくことにより、複数の視点から学生を指導するものである。繰り返しではあるが、大学院指導資格、博士指導資格を理工学研究科より付与し、教育への貢献を行なっている。また、スーパーグローバル活動を利用し、米国教授に博士の指導をいただく等、グローバル人材育成にも取り組んでいる。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

論文数:3件
[主たる論文]
Masaki MURAKAMI, Takashi KURIMOTO, Satoru OKAMOTO, Naoaki YAMANAKA and Takayuki MURANAKA, "Networking Experiment of Domain-specific Networking Platform Based on Optically Interconnected Reconfigurable Communication Processors". IEICE Transactions on Communications (to be appeared)
Kyosuke Sugiura, Masaki Murakami, Yoshihiko Uematsu, Satoru Okamoto, Naoaki Yamanaka, "Lane alignment characteristics in massively parallel Ethernet-based transmission systems," IEICE Communications Express (ComEx), Vol. 11, No. 2, pp. 80-85, February 2022.

国際会議件数:4件
[主たる発表]
Naoaki Yamanaka, "Beyond 5G Network Architecture and its state-of-the-art Research for Access Network". International Conference on Education Technology and Computers (ICETC 2022), November 2022
Masaki Murakami, Yoshihiko Uematsu, Satoru Okamoto, Naoaki Yamanaka, Daiki Soma, Shohei Beppu, Noboru Yoshikane, Takehiro Tsuritani, Takahiro Kodama, Masahiko Jinno, "Experiment of Nationwide Multi-Route Skew Cancelling for Dynamic Mapping of MAC Signals over SDM/WDM Network Testbed". OECC/PSC 2022 - 27th OptoElectronics and Communications Conference/International Conference on Photonics in Switching and Computing 2022, July 2022

国内研究会件数:9件

■センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄
昨年も書いたが、グローバルには、IOWNグローバルフォーラムの活動開始。IOWNグローバルフォーラムは、本センターとほぼ同じ目標を持っているとも言え、連携の効果は大きい。インテル、Sony、NTTがファウンダであり、26のスポンサー51のメンバー10のアカデミックリサーチメンバーが入会しており、慶應義塾はアカデミアとしての会員は、全世界で2校目である。なかなか進められていないが、慶應のアクティビティをIOWNの中で進めており、連携成果を2023年になるが、6月にグローバルで公開実施を企画している。

SDGs

11. 住み続けられるまちづくりを11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任12. つくる責任 つかう責任
17. パートナーシップで目標を達成しよう17. パートナーシップで目標を達成しよう

設置期間

2018/04/01~2026/03/31

メンバー

◎印は研究代表者

氏名 所属研究機関 職位 研究分野・関心領域
◎ 山中 直明 理工学部 教授 フォトニックネットワーク、通信プロトコル
大槻 知明 理工学部 教授 通信・ネットワーク工学
斎藤 英雄 理工学部 教授 情報学基礎理論、通信・ネットワーク工学
今井 倫太 理工学部 教授 知能ロボティクス、知能情報学、認知科学
杉本 麻樹 理工学部 教授 ヒューマンインタフェース・インタラクション、エンタテインメント・ゲーム情報学
杉浦 裕太 理工学部 准教授  ヒューマンインタフェース・インタラクション
中澤 仁 環境情報学部 教授 計算機システム・ネットワーク
カイ ステーヴェン クンツェ メディアデザイン研究科 教授 ヒューマンインタフェース・インタラクション、ウェアラブル・コンピューティング
神武 直彦 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 システムズエンジニアリング、デザイン思考、社会技術システムのデザイン、計算機科学、宇宙システム、IoT
田邉 孝純 理工学部 教授 フォトニックナノ構造、微小光共振器、省電力光デバイス、超高速光技術、光集積回路
久保 亮吾 理工学部 准教授 IoT、信頼性
津田 裕之 理工学部 教授 光通信、アクセスネットワーク、光デバイス
青木 義満 理工学部 教授 クロスモーダル、画像処理