モビリティカルチャー研究センター(SU)

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センター長 : 重野 寛(理工学部教授)
活動拠点キャンパス : 新川崎

センター概要

モビリティを中核として高齢者の社会活動参加への移動、災害対応での避難、自動運転、道路交通における省エネルギーやCO2排出削減など技術/社会基盤を含めた移動のコンセプトを「モビリティカルチャー」と名付け、安心・安全・利便性が高く環境に配慮したモビリティの構築に向けた研究を行う。
主に以下の課題に取り組む。

  1. 自動車を活用した災害時の情報通信システム
  2. 自動運転システムの導入に関する基盤研究
  3. ITSの高度化と道路交通管理
  4. IoTに関連した横断的分野の調査研究

キーワード・主な研究テーマ

モビリティ、ITS、自動運転、HMI、道路交通管理、災害情報システム、エネルギ・ネットワークシステム、人工知能、国際標準化

2019年度 事業計画

■2018年度より継続する活動内容について、継続する背景・根拠と目標

2018年度に実施した以下の課題に引き続き取り組む。

  1. 自動車を活用した災害時の情報通信システム
  2. 自動運転システムの導入に関する基盤研究
  3. ITSの高度化と道路交通管理
  4. IoTに関連した横断的分野の調査研究
  1. では、国際化標準化が完了したVHUB(災害時おける車両を活用した通信HUB)の国内展開(総務省主導)に向けた活動を継続する。
  2. について、戦略的イノベーションプログラム(SIP)自動走行システム/大規模実証実験/HMI/課題Cの2018年度の設計推奨に関する成果や国際連携にもとづいて、自動運転車と他の交通参加者とのコミュニケーション技術に関する研究を進める。
  3. については、首都高速道路(株)との共同研究(自動運転車両と一般車両の混在交通の分析)を継続する予定である。また(一財)ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)から5G時代のITS情報通信システムに関する調査研究を継続する予定である。
  4. では、(一財)道路新産業開発機構(HIDO)より、「モビリティ高度化とスマートシティ」に関する調査研究を継続する予定である。また、ISO/TC204,WG1に向けて、ITS Bigdata用メタデータ作成のためのオントロジー技術の活用に関する基礎的研究を継続する。

■2019年度の新規活動目標と内容、実施の背景

(2)について、現在参画している戦略的イノベーションプログラム(SIP)自動走行システムが2018年度で終了となる。「戦略的イノベーションプログラム(SIP)第2期 自動運転(システムとサービスの拡張)」でのHMI関連の事業・プロジェクト が開始になることを見込んでおり、それらの事業・プロジェクトへの参画を目指す。

2018年度 事業報告

■当該年度事業計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

「(1) 自動車を活用した災害時の情報通信システム」に関しては、(一社)情報通信技術委員会にてASTAPにおけるVHUB(災害時おける車両を活用した通信HUB)の国際化標準化完了に貢献した。

「(2) 自動運転システムの導入に関する基盤研究」に関しては、戦略的イノベーションプログラム(SIP)自動走行システム/大規模実証実験/HMIの中の課題C(自動走行システムと他の交通参加者とのインターフェースに関わる課題)を再委託業務として受託した。研究を進め、外向けHMIに関する推奨事項や外向けHMI実装による正負の効果に関する留意事項を抽出した。

「(3) ITSの高度化と道路交通管理」に関しては、首都高速道路(株)との共同で、自動運転車両と一般車両との混在交通時の交通流に関する基礎的研究を実施した。また、(一財)ITSサービス高度化機構(ITS-TEA)より「ETC、ITS事業等の今後の展開に必要な技術に関する調査検討」を受託した。

「(4) IoTに関連した横断的分野の調査研究」ついては、(一財)道路新産業開発機構(HIDO)より「IoTにおけるITS通信とその課題に関する調査研究」を受託、また、ISO/TC204,WG1に向けて、ITS Bigdata用メタデータ作成のためのオントロジー技術の活用に関する基礎的研究を継続して実施した。

公刊論文、学会発表、イベントなど社会貢献の実績

公刊論文 6件

  • Sota Sawaguchi, Hiroaki Nishi, "Slightly-slacked dropout for improving neural network learning on FPGA", Elsevier Open Access Journal of ICT Express, The Korean Institute of Communications and Information Sciences, April 17, 2018.
  • Rajitha Tennekoon, Janaka Wijekoon, Hiroaki Nishi, "On the Effectiveness of IP-Routable Entire-Packet Encryption Service over Public Networks", IEEE Access, Vol. 6, Issue 1, pp.73170-73179, Nov. 20, 2018.
  • 國府方久史, 獅子倉修, 大門樹, 節・無向弧・有向弧に配達タスクがある巡回問題の1次元データモデルと模擬焼きなまし法を用いた実用的ヒューリスティック解法 -パラメタ値の再設定と新聞配達問題への応用-, 計測自動制御学会論文集, Vol.54, No.11, pp.410-415, 2018年11月
  • 小林裕樹,西山潤,谷遼太郎,重野寛, 帯域状況に基づくPoIを考慮した被災地情報収集機構, 情報処理学会論文誌, Vol.60, No.2, 2019年2月(掲載予定).
  • 峪口雄太,佐藤和也,宮﨑稔也,重野寛,屋代智之, 情報指向型自動車アドホックネットワークにおける仮想ノードを用いたルーティングプロトコル, 情報処理学会論文誌, Vol.60, No.2, 2019年2月(掲載予定).
  • Masahiro Yoshida, Hiroaki Nishi, "Feature Extraction and Resident Number Prediction Method using Power Consumption Data", IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems (C), Vol. 139, No. 3, March, 2019 (to be appeared).

学会発表 国際会議 21件、国内会議 5件、解説・論説・記事 1件

シンポジウム・講演等 13件、展示・イベント等 3件

研究報告書 3件、国際標準化活動参加 5回

センター活動を通じて特に成果を挙げた事柄

  • 戦略的イノベーションプログラム(SIP)自動走行システム/大規模実証実験/HMIの中で、課題C(自動走行システムと他の交通参加者とのインターフェースに関わる課題)を再委託業務として受託し、外向けHMIに関する人間工学的観点からの推奨事項等を抽出した。これまでに得られた知見や成果をISO/TC22/SC39/WG8などの標準化活動に還元した。また外向けHMIに関する国際連携として英国Leeds大学との共同研究を実施した。自動車ITSに関連したHMI技術に関する人間工学的実験研究を実施し、関連学会等でその成果を報告した。
  • ITS関連公的機関から「ITS及び道路交通環境・エネルギー等に関する調査・研究」((一財)道路新産業開発機構委託研究)、「ETC2.0サービス及び新たなITSサービスの事業展開に関する基礎調査」((一財)ITSサービス高度化機構委託研究)、「首都高速道路における自動運転普及への対応についての共同研究」(首都高共同研究)を受託し、それぞれ具体的な項目を定めて研究・調査を進めた。

所員

所員(兼担)

重野寛 理工学部 情報工学科 教授
山口高平 理工学部 管理工学科 教授
大門樹 理工学部 管理工学科 教授
西宏章 理工学部 SD工学科 教授
大前学 政策・メディア研究科 教授
山中直明 理工学部 情報工学科 教授
森田武史 理工学部 管理工学科 准教授(有期)

所員

秋月俊五 KGRI 共同研究員
太田純 KGRI 共同研究員
鎌田讓治 KGRI 共同研究員
川嶋弘尚 KGRI 共同研究員
國府方久史 KGRI 共同研究員
古和義治 KGRI 共同研究員
福井良太郎 KGRI 共同研究員