KGRIスタートアップ研究:社会性と情動の学習 - 文化と身体的学習の側面から -

創造

研究概要

Hayashi

「社会性と情動の学習」はSocial Emotional Learning (SEL) の日本語訳で、「非認知能力」を育むことを目的とした教育のことである。多くの教育現場でSELが開始されている一方で、それらは文化・地域・人種といった「多様性」への考慮がなされていないとの懸念の声があがっている。本研究では、発達心理・教育心理・幼児教育・初等教育の専門家と実践者にインタビューを実施し、SELにおける「文化」に考慮した実践の必要性を実証する。多種多様な環境で育つ全ての子どもたちに届くSELになるよう「文化」を取り入れた理論的枠組みの構築を目指す。










2023年度事業報告

■当該年度事業(活動)計画に対する実施内容、および研究成果と達成度

本研究は、1) 2022年の論文において、理論上、SELにおいて異なる環境で生まれ育った子どもたちに対応するため「文化」を考慮する必要性があると説いたものの、現場で実際に従事している実践者(教師たち)の考えはどのようなものか、2) SELは、多くの学問分野の研究を複合的に考慮して発展してきた。それぞれの学問分野の専門家の「文化」を考慮することへの見解はどのようなものか。この2点の解明を目的とした。今年度は、SELが活発に導入されているアメリカ合衆国で実践者14名・専門家6名、計20名へのインタビューを実施した。活動1年目として計画したことは全て達成した。今後、データ分析の後、論文執筆に入る予定である。

■公刊論文数(件数と主たる公刊誌名)、学会発表件数(国内・国際)、イベントなど社会貢献の実績(年月日、場所)

27th Biennial Meeting of the ISSBD (International Society for the Study of Behavioral Development) にて"Emotionality, Self-regulation, and Prosocial Behavior as Risk or Protection for Loneliness and Internalizing Emotions in Children and Young Adults" と題し、シンポジウム形式で発表予定(2024年6月16-20日)

■プロジェクト活動を通じて特に成果を挙げた事柄

専門家へのインタビューを予定していたので、様々な研究者と新たな交流が生じる可能性のある研究であると研究計画書に記載した。専門家へのインタビューの際に名前が挙がった研究者と交流が始まり、共同研究の可能性を探っている現状が、プロジェクト活動を通しての大きな成果であると考える。


SDGs

4. 質の高い教育をみんなに4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう5. ジェンダー平等を実現しよう
10. 人や国の不平等をなくそう10. 人や国の不平等をなくそう
17. パートナーシップで目標を達成しよう17. パートナーシップで目標を達成しよう

プロジェクトメンバー

プロジェクトメンバー・所員について

◎印は研究代表者

◎ 林 安希子 商学部 准教授 発達心理学、文化人類学、比較教育学
リュウ・ジェフリー Texas A&M University 教授 発達心理学、教育心理学