【開催報告 速報版】2040独立自尊プロジェクト セミナー: 『「デジタル主権」とは何か----接触確認アプリから考える』(2022.3.3開催)
2022.03.08Only available in Japanese
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 2040 独立自尊プロジェクトセミナー
「デジタル主権」とは何か----接触確認アプリから考える
KGRI「2040独立自尊プロジェクト」の一翼をなす「プラットフォームと『2040年問題』」プロジェクト。その取り組みの一環として、2022年3月3日に公開セミナー「デジタル主権とは何か――接触確認アプリから考える」が開催された。
日本の新型コロナウイルス感染症接触確認アプリは、Google とAppleのAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)を利用して開発された一方で、フランスはメガ・プラットフォーマーのAPIの使用を拒絶し、独自に接触確認アプリを開発した。フランスの選択の背景には、EUで強く主張されている「デジタル主権」がある。
政府の「接触確認アプリに関する有識者検討会合」の委員を務めたKGRI副所長・法務研究科教授の山本龍彦による問題提起に続いて、フランスで「デジタル主権」の議論をリードする2名の研究者、ポリーヌ・トゥルクとオドレー・バシェールによる報告を実施。ディスカッションでは、日仏の憲法・情報法に詳しい京都大学大学院法学研究科の曽我部真裕も加わり、接触確認アプリ問題が先鋭化させた諸課題を「デジタル主権」の切り口から活発に議論した。なぜEUは「デジタル主権」を主張するのか、それはデジタル空間におけるEUと域外との隔絶を意味するのか、そして、「デジタル主権」から見える日本のプライバシー権保障の課題とは。
KGRIから「デジタル主権とは何か」を問う試みがここに始動した。
※本セミナーの内容は、レポートとして近日公開する予定です。
イベントポスターはこちら
日 時:2022年3月3日(木)17:00~20:00 場 所:オンライン 言 語:日本語・フランス語 ※同時通訳あり
プログラム
趣旨説明: 「接触確認アプリ『COCOA』の法的課題―日本の憲法学の観点から」 山本龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科教授・KGRI副所長)
基調講演: 「フランスにおけるデジタルツールを利用した衛生上の危機管理とデジタル主権―政府、議会、裁判所、プラットフォーマー」 ポリーヌ・トゥルク(コートダジュール大学法学部教授) オドレー・バシェール=ペレティ(ローレーヌ大学准教授)
総合討論: コメンテーター:曽我部 真裕(京都大学大学院法学研究科教授) 総合司会:河嶋 春菜(KGRI特任准教授)
問合せ先: 慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 「2040独立自尊プロジェクト」事務局 E-mail: kgri_2040pj[at]info.keio.ac.jp (発信の際は[at]を@に置き換えてください)