2022年度 KGRI Working Papers

KGRI Working Paperは、KGRI所員およびKGRI研究プロジェクトのメンバー等が、研究の成果を学術論文や書籍等により正式に発表することに先立ち、Webサイトで公開することにより、研究所内外の研究者による利用、ディスカッションに供することを目的としています。そのため、査読前のもの査読中ものなど、様々なバージョンのものがあります。

掲載されたWorking Paperの著作権と文責は著者にあります。内容に関する問い合わせは、e-mailにて著者が直接対応します。引用に関する指定がある場合はそれに従ってください。他の電子掲示板やアーカイブへの再送信を含む他の活動のために利用する場合は、必ず著者に事前了解を取ることとします。

なお、正式発表/出版等により著作権が著者から他に移った場合など、著者の依頼を受け、事前の断りなしに本サイトから削除します。

投稿要綱指定書式 (表紙)

How Can and Should the Platforms be Governed? Assessment of EU Digital Services/Markets Acts

No.1 ローレンス・レッシグ、國領二郎

January, 2023

2021年、EUはデジタルサービスアクト(DSA)およびデジタルマーケットアクト(DMA)を可決し、メガ・デジタルプラットフォームに対する規制を強化した。メガ・プラットフォーム事業者を抱える米国は、すでに1998年のマイクロソフト独禁法違反訴訟において、デジタル社会におけるガバナンスをめぐる法的紛争を経験したが、筆者によれば、そこで得られた教訓を忘れてしまっている。筆者は、同訴訟において裁判官付スペシャル・マスターを務めた経験からEUにおけるデジタルプラットフォーム規制の法的評価を行うとともに、ほかのあり得る「規制」のあり方を提案することで、メガ・プラットフォームに対するガバナンスの姿を探る。

本ワーキングペーパーは、2022年6月24日に、ハーバード大学ロースクール教授のローレンス・レッシグ教授を講師として招聘して開催したKGRIグレートシンカーシリーズ講演会の講演および国領二郎教授(慶應義塾大学総合政策学部、KGRIサイバー文明研究センター)との討論を書き起こし、必要最低限の加筆修正を行ったものである。同講演会では、デジタル空間の統治手法としてコードの存在を指摘した同教授が、法によるデジタルプラットフォームの規制をいかに評価するのかを問うた。

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