【開催報告】ゲーム・チェンジング・テクノロジーと安全保障に関するワークショップを開催
2019.10.15台北において、慶應義塾大学KGRI（Keio University Global Research Institute：KGRI）と台湾国立政治大学国際イノベーション学院（International College of Innovation：ICI）による、「ゲーム・チェンジング・テクノロジーと国家安全保障」に関するワークショップが開催されました。
下記のワークショップに関する要約は、トビアス・バーガーズKGRI特任助教により作成されたものです。
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2019年7月26日、慶應義塾大学のKGRIとサイバー文明研究センター（Cyber Civilization Research Center：CCRC）は、国立政治大学ICIとのコラボレーションにより、終日のワークショップを台湾にて主催した。
ロボティクスやサイバー、人工知能（AI）といったゲーム・チェンジング・テクノロジー、またそれらの安全保障、グローバルな軍事的、安全保障の問題への影響について焦点があてられた。
このワークショップは、土屋大洋慶應義塾大学教授（KGRI副所長）とバーガーズKGRI特任助教が2019年４月に台湾を訪問し、両大学でのいっそうの協力を探ることに合意した結果、実現したものである。
土屋教授は、バーガーズ特任助教、鶴岡路人慶應義塾大学准教授、梶原みずほKGRI客員所員、森聡法政大学教授、小谷哲男明海大学准教授による日本側からの派遣団を構成し、台湾側は、国立政治大学の教員、台湾国防大学の研究員、そして政府関係のシンクタンクや他大学から構成された。
このプログラムは三つのセッションから成り立ち、はじめに、Dr. Eddie Chien（General Director, Dual-Use Technology Development Center, National Chung-Shan Institute of Science & Technology)による基調講演が行われた。続いて、両用技術に起因する問題について議論が行われ、特にサイバーの領域とAIの発達に焦点があてられた。 最初のパネルでは、ゲーム・チェンジング・テクノロジーの歴史的側面に焦点があてられた。梶原客員所員は、潜水艦の発展に関する研究を発表し、前世紀の軍事環境における新しいテクノロジーの影響について明らかにした。
昼食休憩の後、二つ目のパネルでは、土屋教授を座長として、森教授によるゲーム・チェンジング・テクノロジーに関する発表、そして小谷准教授からは航空母艦に関する発表が行われ、またDr. Lipin Tien（Associate Professor and Chairman, Department of Law, National Defense University）からは、新しい技術の導入による法的な影響が論じられた。
三つ目のパネルは、新しい領域におけるゲーム・チェンジング・テクノロジーに焦点があてられた。Dr. Chun-Nen Huang（Associate Professor, Department of Fire Science, Central Police University）は、重要インフラに対するドローンの脅威に関する研究を発表した。バーガーズ特任助教は、国家間の伝統的な安全保障に対して拡大しつつあるサイバーセキュリティの可能性と影響について論じた。それに続き、Dr. Hon-Min Yau（Assistant Professor, Graduate Institute of Strategic Studies and International Affairs, National Defense University） は、サイバー紛争の概念と範囲について論じた。
最終パネルでは、鶴岡准教授らによって、新しい安全保障環境に適応するためには何ができ、また何をすべきか、そして新しいテクノロジーの導入によってもたらされるチャレンジにどのように対応するのかという問いを中心に議論が行われた。
最後に、土屋教授と劉復國政治大学教授（ICI学院長）は、今後、多くの問題が研究され議論されるべきであると指摘した。そして、今回のワークショップが現在の課題に焦点を当てるとともに、これらの問題を解決していくうえでも、両大学の今後の協力が求められるとの結論に至った。
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本ニュースに関する問い合わせ先
プロジェクト名：S19-01 基軸プロジェクト（安全クラスター）変革期の安全保障と統治構造
プロジェクトリーダー：土屋 大洋
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